製造業や工場の経営者の方は、「電気代を大幅に削減できたら、もっと収益アップできるのに…」と頭を悩ませていませんか?現在でも工場で、老朽化した空調設備や機械を使い続けているのであれば、電気代がかさんでしまうのは当然のこと。

皆さんは、「電力自由化」をご存知ですか?2016年に電力の小売全面自由化が決定されてから、全消費者が自由に電力会社を選べるようになりました。それに伴い、多くの工場の経営者は、コスト削減のために電力会社を切り替えたり、様々な節電アイデアを取り入れて、消費電力を大幅に抑えることに成功しています。

そこで今回は、工場のコスト削減を目指す経営者の方のために、電気代削減の成功事例をご紹介します。工場の電気料金を安くするコツ、省エネ・節電ポイントを抑えて、大幅なコスト削減を実現させましょう!

工場の電気料金を下げた成功事例

工場の電気代を大幅に抑えたいならば、設備投資によるコスト削減が効果的です。しかし、まずはイニシャルコストがかかる設備投資の前に、電力会社の切り替えや照明器具など、すぐに実行できる電気代の削減方法から取り組みましょう。ここからは、電力会社の切り替えや照明器具の一新を行ったことで、工場の電気料金を下げた成功事例をご紹介したいと思います。

①電力会社を切り替える

電力の小売”全面”自由化は2016年にスタートしましたが、実は大規模工場や大型商業施設向けの「特別高圧」区分の電力自由化は2000年から、中小規模工場や中小ビル向けの「高圧」区分の自由化は2004年からスタートしていました。一般家庭でも自由化されたことで、「電力自由化」の認知度はぐっと上がりましたね。
電力会社を切り替えると、電気の質や電気の供給が止まるのでは?と不安な方もいるかもしれませんが、その心配はありません。切り替えた電力会社が万が一、倒産や撤退した場合は、元の電力会社に戻るのでリスクはありません。

工場での電気代削減事例として、コミックと書籍を生産するある製本工場の場合、電力会社を切り替えただけで年間約400万円の削減に成功しました。製造に携わる工場は、設備にかかる電力コストの削減が大きな課題なので、電力会社を切り替えたことにより、大幅なコストを削減が実現できたのです。
高圧電力の電気代を節約できたおかげで、製品の品質向上や設備投資にも資金を回すことができて、事業を発展させるためにも良い決断だったと言えます。

他にも、半導体製造装置に使用される部品を生産、流通している工場では、電気料金を見直して年間約130万円の電力代削減に成功してる例もあります。

法人向けに電力の提供をスタートした会社は100社以上あります。
自社の設備や工場にマッチした電力会社を選ぶことで、継続的な経費削減になるでしょう。

電力会社を切り替えるだけで大幅なコストダウンができるので、検討してみる価値はありますよ。

②省エネ空調による電気代削減

工場や施設で、何十年も同じエアコンを使用していると性能自体が劣るため、無駄な電気代がかかってしまいます。工場の規模に合わせて、省エネ対策のエアコンに買い替えを検討してみることもおすすめです。

しかし、もしエアコンを一新したにも関わらず電気代が高いと感じる場合は、エアコンの設定温度を調整してみましょう。室内の適正温度の目安は夏は約28度、冬は約20度と言われています。また、電源をつけたり消したりするのは、実は電気代が上がってしまうのでNG。空調設備のメンテナンスは毎年行い、風量調整は「自動」に設定しておくと効果的です。

他にも夏場は直射日光が室内に入るのを遮断するために、カーテンやブラインドを設置すると電気代のコストダウンに繋がります。

工場の空調機は、24時間稼働していることが多いので、使用期間約5年ほどで性能が低下します。最新型の空調機を導入すればメンテナンス費や電気代の削減になり、ランニングコストの低減を図ることができるでしょう。

また、工場では冷却を必要とするため定格運転による冷却水用ポンプがありますが、この冷却水用ポンプが電気代をアップさせてしまっていることも多くあります。そのような場合は、冷却水ポンプをインバータ化して、ポンプの変流量制御を行うことで、無駄な電力を削減することが可能です。

③LED照明を導入する

工場の照明機器の電気代は意外とコストがかかっていることをご存知ですか?そこで、高効率で長寿命なLED照明器具を取り入れれば、照明の数は減らすことなくコスト削減が見込めます。工場のLED照明化のメリットは、

①電気代削減
②熱放出が少ないためエアコン代の節約になる
③長寿命による交換の手間が省ける
④赤外線や紫外線の放出が少ない

などが挙げられます。最近は、工場のLED照明化の促進のために高天井用LED照明や、LEDベースライト、LEDダウンライトなど選択肢が増えています。使用する箇所によって、最適なものを選びましょう。

工場のLED照明化の成功事例として、スチールサッシの製造工場をご紹介します。当時、その工場内の照明には水銀灯700形を使っていましたが、ランプ切れが多く、交換も大変なので省エネ性能に優れたLED高天井用照明器具を導入。LEDを採用したことにより、光源寿命が大幅に長くなり、メンテナンスの費用と手間が大幅に軽減されました。
水銀灯700形から天井用LED照明器具に変えて、消費電力210Wの明るさはそのままに、出力を下げても手元が明るいため作業のしやすい職場になったと従業員も満足しています。

さらに、LEDを採用したことにより、年間約100万円以上の電気代のコスト削減に成功しました。作業効率もアップして、一石二鳥です。

④省エネ設備による補助金で負担軽減

初期費用を抑えたいのであれば、補助金を利用した照明や空調設備の切り替えを図ってみてはいかがでしょうか?

省エネ設備の補助対象と承認されれば、工事費や運搬費を除いた補助対象設備購入額の1/3以内にあたる補助率(1事業あたり約30〜3,000万円)が支給されます。初期費用の負担が軽減されますね。

ある和菓子の製造工場では、平成25年度エネルギー合理化支援事業の補助金を活用して、工場の既存設備を省エネルギー性能の高い設備に切り替えました。竣工期間は約5ヶ月と大規模な省エネ対策でしたが、PAC空調機を高効率タイプへ更新、旧型蛍光灯(40W,110W)や白熱灯をLED照明へ更新ししたことで、大幅なコストダウンに成功したのです。

省エネ型設備が対象となるかどうか、いくら補助金が支給されるかは、経済産業省・資源エネルギー庁の各種支援制度をチェックしましょう。

経済産業省・資源エネルギー庁:http://www.enecho.meti.go.jp/

▷ミズカラ株式会社の導入事例

まとめ

今回は、工場の電気代のコストダウン成功事例をご紹介しました。

まずは、電力会社の切り替えを行い電気料金を抑えて、削減できた費用で省エネの空調設備やLED照明の投資に回すことをおすすめします。

ぜひ、今回ご紹介した事例を参考にして効率的にコストダウンを実現させましょう。

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