毎年9/1は防災の日、そしてその1週間は防災週間でしたね。
今回は、企業防災について取り上げていきます。

もし明日、大規模な災害が発生し事業運用に支障が出た場合、御社は事業を続けることができますか?早期復旧は可能ですか?

皆さんも感じていらっしゃると思いますが、日本は自然災害が多い国です。
会社の規模に関わらず、企業防災を考えておくことは重要ですが、特に中小企業は経営基盤が脆弱なケースが多いので、その対策はより大きな意味を持つでしょう。
事業を継続・拡大していく上で、企業防災の対策を万全にすることは、いわば必然と言えるでしょう。

今一度、災害時でもビジネスを守るためにできること、例えばBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の策定など、”今できるアクション”を考えてみませんか?

企業防災に取り組むことで緊急時の廃業リスクを下げる

企業防災とは?

企業防災は、1.防災2.事業継続の2つの観点からのアプローチがあります。
それぞれの対策内容には共通点が多く、非常に密接な関係性を持っているため

企業防災=防災+事業計画

のように考えることが一般的で、また、企業防災としてこの考え方が推進されています。

企業防災の具体的な活動とは?

企業防災は2つのアプローチに分かれるという話を先述しました。
防災”と”事業継続”の2つでしたね。
まずは、”防災”について、言及したいと思います。

”防災”の細かい定義はもしかしたらいろいろあるかもしれませんが、ここでは、”地震や水害などの自然災害に対して、事前に備えること”そして”災害被害を最小限に抑えるよう努めること”と定めたいと思います。

それを踏まえた上で、企業防災はどう捉えるべきでしょうか?
一般的な企業防災における”防災”へのアプローチをご紹介します。
一般家庭で考える防災と、どこが違うでしょうか?

  1. 災害の特定
  2. クライアント・従業員の生命の安全確保
  3. 建物の耐震性の確保
  4. 二次災害の防止
  5. 地域貢献・地域との共生
  6. 防災活動に関する情報の開示

まずは、災害の特定を行います。
台風の時に備えるべきのもは何か?地震の時に予想される被害は?
想定される災害によって、企業防災の対策も異なります。

次に、予想される災害が発生した際の安否確認の方法や食料・医薬品・簡易トイレなどの備蓄はどれくらい必要かを考えます。
停電によりPCが使えなかったときの場合や、電話や通信が混線して連絡がつかなかった場合なども想定しておくことが重要です。
また、備蓄量や備蓄スペースの確保も考えておきましょう。

続いて、耐震性の確認です。ここ数年、地震の発生が多くこの対策は避けては通れません。多大な金額が発生するかもしれませんが、地域によっては補助金の交付があるので、うまく活用しましょう。
なお、建物だけでなく、使用しているマシンなどについても、同様に耐震性のチェックしておく必要があります。

そして、自社が被災した場合に、二次災害、三次災害と発展する可能性を考え、その防止策を練ります。例えば、地震によって窓ガラスが割れたとしても、広範囲に飛散しないよう特殊ガラスを使用する、工場で製造している製品が崩れてくる可能性が高い場合には、積み上げ高さを安全な高さに設定しているか、などの対策がこれに当たります。

”事前に備える”という点からは、こういった視点で対策をします。

続いて、地域貢献および防災活動の周知です。

防災活動を行なっているのであれば、そのことを取引先のクライアントや社員、地域の人々に対してアピールしておくべきでしょう。
なぜなら、周知させておくことで、万が一の時でも事業を継続させる意志を強く持ち、そのために事前にできる対策していることが伝わるからです。

緊急時に自活力のある企業は、今後、より一層信頼されるようになることが、予想されます。

もちろん、最優先事項は安全の確保に他なりません。
しかし、ビジネスである以上、クライアントとの取引や売り上げを考えることも、無視することはできないのです。この点は、家庭での防災と企業防災との違いとも言えるかもしれません。

企業防災を考える上で”BCP”は外せない

次に、企業防災を説明する上で、”防災”とともに出てきたもう1つのワード、”事業継続”について説明します。

当媒体の記事でも何度か登場しているBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)についてです。

以前の記事も参考にしてくださいね。
▶「水道のBCP」はなぜ必要なのか?見落とせないポイントは?
▶BCP対策の3つのポイントは、『節水、貯水、第二水源の確保』!
▶近年頻発している”水害”に対するBCPの必要性とは?

私たちもBCP対策の周知を発信している身ですが、
しかしながらこのBCPの認知度は、まだまだ高くないのが現状です。
中小企業のBCPの認知度
参照:中小企業庁:中小企業白書

もし、災害によって業務を停止せざるを得なくなった場合、どのようなことが予想されると思いますか?

売り上げの低下
クライアントとの取引停止
マーケットシェアの縮小
社員、カスタマー、クライアントからの信用や企業ブランドの失墜

など、ネガティブなことが多く想定されるかと思いますが、このような事態を避けるためにも、BCPを作成しておくことは企業防災を考える上で非常に重要なのです。

BCPの特長は、以下のような点があります。

  1. 優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
  2. 緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
  3. 緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
  4. 事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
  5. 全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく

もし、BCPを策定していなかった場合、地震や台風などの災害が要因による事業の縮小のリスクは多大なものになります。
事業縮小や停止だけでなく、廃業に追い込まれる可能性すらあるのです。

企業の事業復旧に対するBCP導入効果のイメージ
参照:中小企業庁|1.1 BCP(事業継続計画)とは 

こちらの図をご覧いただければわかる通り、BCPを策定している場合としていない場合とでは、事業の復旧率は大きく差が出ます。
この理由は単純で、リスクを正しく認識し事前にその対策を進めておくことで、迅速で適切な対応が取れるからです。
つまり、普段からあらかじめ事業運用パターンを把握し、緊急時にはどういった行動や判断が必要になるのかを意識しておくことが、重要となります。

また、事業継続に関するり組みを強化することで、重要業務中断に伴う顧客の他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などからも、企業を守ることにつながります。
そのような意味でも、企業防災の強化、BCPの策定は、ますます重要度が高まっているのです。

企業防災の強化を始めませんか?

何から始めたら良いのか迷われたら、まずはご相談ください。

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