目次
この記事でわかること
- 工場が井戸掘削前に確認すべき5項目
- 深井戸と浅井戸の考え方
- 井戸規制・専用水道・下水道届出の整理
- 井戸を掘る前に社内で集めるべき情報
結論
工場で井戸を掘る前に確認すべきことは、(1) 必要水量、(2) 水質、(3) 井戸規制、(4) 設置・配管条件、(5) 上水道バックアップとBCPの5つです。特に、月間使用水量4,000m³以上、上水道単価250円/m³以上、または月間上水道代金100万円以上の工場では、新しい井戸や既存井戸を使った自家水道システムの検討余地があります。
一方で、井戸は「掘ればそのまま使える」ものではありません。地域によって地下水採取規制があり、飲料水として使う場合は保健所への専用水道申請が必要です。下水道料金も従来通り発生するため、上水道料金の削減額だけで判断しないことが重要です。
ミズカラ株式会社(当社)では、深井戸(100m以深)を前提に、事前調査、行政確認、浄水処理、毎月の水質管理まで一体で検討します。
1. 必要水量はどれくらいか
井戸掘削の前に、まず水量を確認します。
| 確認する数字 | なぜ必要か |
|---|---|
| 月間使用水量 | 導入規模と契約水量を決める |
| 日最大使用水量 | ピーク時に不足しないか見る |
| 用途別水量 | 飲料、洗浄、冷却、ボイラーで水質要件が違う |
| 12か月の季節変動 | 夏季・繁忙期の負荷を見る |
工場では、平均値だけでなくピーク時の水量が重要です。月間4,000m³以上が一つの目安ですが、日ごとの偏りが大きい場合は、受水槽容量や運転制御も含めて設計します。
2. 水質は用途に合うか
井戸水の水質は地域で異なります。深井戸は地表の影響を受けにくい一方で、鉄、マンガン、硬度、塩類などの処理が必要になる場合があります。
用途ごとに見るべきポイントは異なります。
| 用途 | 主な確認項目 |
|---|---|
| 飲料・手洗い | 水道水質基準、消毒、専用水道申請 |
| 食品製造用水 | 51項目、食品製造用水26項目、製品影響 |
| 冷却水 | 硬度、スケール、腐食 |
| 洗浄水 | 濁度、鉄、マンガン、品質影響 |
| ボイラー | 硬度、シリカ、薬注条件 |
水質が悪い場合でも処理で使えることはありますが、処理設備が大きくなればコストメリットは小さくなります。
3. 井戸規制はあるか
地下水は地域資源です。国土交通省は、工業用水法、ビル用水法、地方公共団体の条例などにより地下水採取規制が行われていると整理しています(確認日: 2026年6月20日)。工場所在地によって、掘削深度、揚水量、口径、用途が制限されることがあります。
確認先は、自治体の環境部局が中心です。飲料利用がある場合は保健所、配管や下水道課金は水道局・下水道局も関係します。
4. 設置場所と既存設備は足りるか
自家水道システムでは、井戸だけでなく浄水プラント、薬注、消毒、受水槽接続、電源、排水、メンテナンス動線が必要です。目安として、プラント設置には駐車場5〜6台分、約25m²程度を見込みます。分散配置できる場合もあります。
既存工場への後付けでは、配管だけでなく、設置場所の確保、受水槽の改造、稼働中工事の切替計画が論点になります。
5. 上水道バックアップとBCPをどう設計するか
井戸を掘っても上水道は残します。プラント故障や点検時に自動で上水道へ切り替えることで、断水を避けるためです。
BCPの観点では、自家水道は独立水源として価値があります。上水道が止まった場合でも、井戸・プラント・電源が機能すれば、施設内の水源を確保できます。工場では操業継続だけでなく、災害時の従業員用水や地域貢献も検討対象になります。
井戸掘削前チェックリスト
| チェック | 確認内容 |
|---|---|
| 水量 | 直近12か月の使用水量、日最大水量 |
| 水質 | 用途別要件、原水分析の必要項目 |
| 規制 | 井戸掘削可否、揚水量制限、届出 |
| 設備 | 設置場所、受水槽、配管、電源 |
| 契約 | 基本契約水量、契約期間、将来の水需要 |
よくある質問
Q1. 井戸を掘れば水は出ますか?
A. 事前に断定はできません。事前調査で水量・水質・掘削可否を確認し、掘削判断を行います。
Q2. 水が出なかった場合の費用はどうなりますか?
A. ミズカラ株式会社(当社)では、万一水が出なかった場合、当社の責任・費用で現状復帰します。
Q3. 地盤沈下は起きませんか?
A. 地域の規制に従い、深度、取水量、取水方法を検討します。過剰揚水を避ける設計が前提です。
Q4. 工場の稼働を止めずに導入できますか?
A. 既存受水槽や配管の状態によります。切替工事のタイミング、仮設配管、夜間工事の要否を事前に確認します。
Q5. 給水開始までどれくらいですか?
A. 注文から約4か月が目安です。井戸工事、保健所申請、機械手配、設置工事、水質分析を順に進めます。
まとめ
- 工場で井戸を掘る前に、水量・水質・規制・設備・BCPを確認する
- 地下水は地域ごとに採取規制があり、自治体確認が必要
- 飲料利用では保健所への専用水道申請と水質管理が必要
- 上水道はバックアップとして残し、完全停止しない設計が現実的
工場の井戸掘削・自家水道の相談はミズカラ株式会社へ
ミズカラ株式会社(当社)では、工場向けに井戸掘削可否、地下水水質、設置スペース、コストメリット、BCP価値をまとめて診断します。
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参考資料
- 国土交通省「地下水保全と地盤沈下の現状」 https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk1_000063.html
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