目次
この記事でわかること
- フィルタープレスの脱水不良で最初に見るべきポイント
- ろ布、圧搾、薬注、汚泥性状の切り分け方
- 脱水不良が排水処理コストに与える影響
- 設備更新前に試すべき改善手順
結論
フィルタープレスの脱水が悪くなった時は、いきなり機械更新を検討する前に、ろ布の目詰まり、圧搾条件、凝集条件、汚泥濃度、薬注量、送泥ポンプ、排水処理本体の変化を切り分けます。脱水不良は、フィルタープレス単体の故障ではなく、前段の凝集や汚泥性状の変化が原因で起きることが多いです。
含水率が上がると、脱水ケーキ量、保管負担、搬出回数、産廃処分費が増えます。重金属排水やフッ素排水では、汚泥に対象物質が集まるため、脱水性の悪化はコストだけでなく管理リスクにもつながります。
株式会社増澤技研では、排水処理装置の設計・製作・設置に加え、汚泥脱水機の確認、配管・水槽洗浄、ポンプ点検などのメンテナンスにも対応しています。
脱水不良の主な症状
| 症状 | 起きていること |
|---|---|
| ケーキが柔らかい | 含水率が高い、圧搾不足 |
| ケーキが剥がれにくい | ろ布目詰まり、薬注不良 |
| ろ液が濁る | ろ布破損、凝集不良 |
| 処理時間が長い | 目詰まり、送泥量不足 |
| 搬出量が増えた | 含水率上昇、汚泥発生量増加 |
まず、いつから悪くなったのかを確認します。工程変更、薬剤変更、原水濃度変化、季節変動、ろ布交換時期と照合します。
切り分け手順
1. ろ布を見る
ろ布の目詰まり、破れ、伸び、取り付け不良を確認します。洗浄で回復する場合もありますが、繰り返し詰まる場合は、前段の凝集条件が合っていない可能性があります。
2. 圧搾条件を見る
圧力、圧搾時間、送泥量、ポンプ能力を確認します。圧力を上げれば改善するとは限らず、過度な圧力はろ布や機器に負担をかけます。
3. 凝集条件を見る
凝集剤、高分子凝集剤、pH、撹拌条件を確認します。フロックが弱いと、フィルタープレスで水が抜けにくくなります。
4. 汚泥性状を見る
金属水酸化物、フッ化カルシウム、有機物、油分、微細SSなど、汚泥の種類で脱水性は変わります。原水や薬品の変化が汚泥性状に影響します。
5. 運用記録を見る
脱水時間、ケーキ重量、含水率、ろ布洗浄頻度、薬品量を記録していないと、悪化の原因が追えません。
やりがちな失敗
- ろ布だけを交換して原因を見ない
- 高分子凝集剤を増やしすぎる
- pH条件を処理水質だけで決める
- 汚泥濃度を確認しない
- 含水率ではなく見た目だけで判断する
高分子凝集剤を増やすと、一時的にケーキ形成がよく見えることがありますが、過剰添加でろ布が詰まることもあります。
脱水不良がコストに効く理由
含水率が上がると、同じ固形分量でも搬出する重量が増えます。産廃処分費は重量や搬出回数に影響されるため、含水率の悪化はそのまま処分費に跳ね返ります。
| 悪化項目 | コスト影響 |
|---|---|
| 含水率上昇 | ケーキ重量増加 |
| 脱水時間延長 | 作業時間・設備稼働時間増加 |
| ろ布洗浄頻度増加 | 保守工数増加 |
| ろ液濁り | 再処理・処理水質悪化 |
| ケーキ剥離不良 | 作業負荷・停止時間増加 |
改善の優先順位
- ろ布の状態確認と洗浄
- pH、凝集剤、高分子凝集剤の見直し
- 汚泥濃度と送泥量の確認
- 圧搾時間・圧力の調整
- 原水変動と工程変更の確認
- ろ布材質やフィルタープレス仕様の見直し
- 脱水機更新の検討
この順で進めると、設備更新前に改善できる範囲を把握しやすくなります。
よくある質問
Q1. ろ布交換だけで改善しますか?\
A. ろ布劣化が原因なら改善します。ただし、凝集不良や汚泥性状変化が原因の場合は再発します。
Q2. 高分子凝集剤を増やせば脱水は良くなりますか?\
A. 適量なら改善しますが、過剰添加はろ布目詰まりや処理悪化につながることがあります。ジャーテストで確認します。
Q3. 含水率はどれくらいが正常ですか?\
A. 汚泥の種類で大きく変わるため一律には言えません。過去の自社データとの比較が最も実務的です。
Q4. フィルタープレスを更新すべきタイミングは?\
A. ろ布、薬注、圧搾条件、送泥系統を見直しても改善せず、機械劣化や能力不足が明確な場合に検討します。
Q5. 重金属汚泥で特に注意することは?\
A. 脱水ケーキの保管、溶出試験、委託先の受入条件、特別管理産業廃棄物該当性を確認します。
まとめ
- 脱水不良はフィルタープレス単体ではなく、凝集・pH・汚泥性状も含めて見る
- 含水率悪化は産廃処分費、搬出回数、作業負荷に直結する
- ろ布交換の前に、薬注、送泥、圧搾、原水変動を切り分ける
- 記録がないと原因追跡できないため、脱水時間・ケーキ重量・薬品量を残す
フィルタープレスの脱水改善は増澤技研へ
株式会社増澤技研では、重金属排水・フッ素排水の汚泥脱水、フィルタープレス、薬注条件、汚泥処分費の見直しまで対応しています。
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