目次
この記事でわかること
- 地下水利用が「得」になりやすい法人施設の条件
- 上水道料金だけで判断すると見落とす費用
- 地下水の水質・井戸規制・BCP価値の確認ポイント
- 社内検討で最初に集めるべき4つの情報
結論
地下水利用は、月間使用水量が大きく、上水道単価が高く、敷地内で深井戸を活用できる条件が揃えば、上水道料金の削減に有効です。ミズカラ株式会社(当社)の目安では、月間使用水量4,000m³以上かつ上水道単価250円/m³以上、または月間上水道代金100万円以上の施設で検討余地が出やすくなります。
ただし、メリットが出るかどうかは「水道料金が下がるか」だけでは決まりません。下水道料金は基本的に従来通り必要であり、上水道と地下水を併用するため上水道の基本料金も必要です。さらに、井戸掘削規制、水量、水質、設置スペースを確認しないまま進めると問題が生じます。
地下水利用は、上水道を完全に置き換える施策ではなく、自家水道システムを追加して防災対策(BCP対策)及び上水道使用料金を抑える施策として検討するのが現実的です。
どんな施設なら地下水利用が得になりやすいのか
まず見るべきは、現在の上水道料金です。
| 確認項目 | 目安 | 判断の意味 |
|---|---|---|
| 月間使用水量 | 4,000m³以上 | プラント運用の固定費を吸収しやすい |
| 上水道単価 | 250円/m³以上 | 地下水や井戸、工業用水の処理コストのほうが安くなる場合が多い |
| 月間上水道代金 | 100万円以上 | 年間100〜300万円規模の削減余地を検討しやすい |
| 施設規模 | 病院・ホテル200床/200室以上、工場200人以上勤務が一つの目安 | 使用量が多い |
この条件に近い場合、年間上水道料金の10〜30%程度、金額では年間100〜300万円程度の削減が見込めるケースがあります。実際の削減額は、地下水の水質、上水道単価、切替可能量、契約水量で変わります。
「安くなる」と聞いた時に何を差し引いて考えるべきか
地下水利用で削減対象になるのは、主に上水道の使用料金です。下水道へ流す量が変わらない場合、下水道料金は従来通り支払います。井戸使用分については下水道局への課金届出が必要です。
また、上水道を完全に止める運用は推奨しません。防災対策としても、点検・修繕時に断水を避けるためにも上水道は残し、1日1回は上水道を流す制御を行います。そのため、上水道の基本料金は残る前提で試算します。
社内向けには、次のように分けて説明すると誤解が減ります。
| 項目 | 下がる可能性 | コメント |
|---|---|---|
| 上水道の従量料金 | あり | 地下水を浄水して使用する分だけ削減余地 |
| 上水道の基本料金 | 一部残る | 地下水と併用するためゼロにはしない |
| 下水道料金 | 原則変わらない | 流す下水量が変わらないため |
| 点検・水質管理 | 発生する | オンサイト方式では当社が月次点検を担う |
水質は大丈夫なのか
飲料水として使う場合は、水道法に基づく水質基準に適合させ、管轄保健所へ専用水道として申請します。環境省の水道水質基準ページでも、水質基準は最新の科学的知見に照らして逐次改正されるものとされています(確認日: 2026年6月20日)。
ミズカラ株式会社(当社)では、深井戸(100m以深)から揚水した地下水に浄水処理を行い、毎月の点検・水質分析・検査結果書の提出を実施します。食品工場などでは、51項目(食品製造用水26項目を含む)の確認が重要です。
水質面で見るべきなのは、「飲めるか」だけではありません。
- 原水の鉄・マンガン・濁度・硬度
- 季節変動の有無
- 既存受水槽・配管への影響
- 製品品質や洗浄工程への影響
地下水の水質が悪い場合は、追加処理が必要になり、コストメリットが小さくなることがあります。
井戸規制と地盤沈下はどう確認するのか
地下水は自由に汲み上げられるものではありません。国土交通省は、工業用地下水を対象とする工業用水法、建築物用地下水を対象とするビル用水法、地方公共団体の条例などにより地下水採取規制が行われていると整理しています(確認日: 2026年6月20日)。
そのため、事前に確認すべき行政窓口は主に3つです。
| 窓口 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 環境局・自治体環境部局 | 井戸掘削可否、揚水量規制 |
| 保健所 | 飲料利用時の専用水道申請 |
| 水道局・下水道局 | 上水配管、下水道課金届出 |
ミズカラ株式会社(当社)では、これらの提出書類作成や折衝を代行します。井戸掘削前には協力会社による事前調査を行い、水量・水質・規制を確認した上で進めます。
地下水利用が向かないケース
次の条件では、地下水利用だけで大きな経済効果を出しにくい可能性があります。
- 月間上水道代金が100万円未満
- 施設の移転・閉鎖・大幅減産が近い
- 設置場所として約25m²程度のスペースを確保しにくい
- 井戸規制により必要水量を取れない
- 水質が悪く、処理費用が上水道料金を上回る
この場合でも、BCP目的で水源を確保する価値がある施設はあります。コスト削減だけでなく、水源確保、防災時の地域貢献、水質向上まで含めて判断することが必要です。
社内検討で最初に集めるべき情報
| 情報 | 入手元 | 使い道 |
|---|---|---|
| 直近12か月の使用水量 | 水道検針票 | 基本契約水量の検討 |
| 直近12か月の上水道料金 | 経理資料 | 削減額試算 |
| 施設所在地 | 総務・設備部門 | 井戸規制・地下水条件の確認 |
| 用途別の水使用 | 現場・品質管理 | 飲料利用、製造利用、冷却利用の切り分け |
よくある質問
Q1. 地下水利用に初期費用はかかりますか?\
A. 一般的には必要です。但しオンサイト方式では、井戸・プラントをミズカラ株式会社(当社)が設置し、利用量に応じた契約となり、初期投資を抑えて検討できます。条件により契約内容は変わります。
Q2. 水が出なかった場合はどうなりますか?\
A. 事前調査を行った上で掘削します。万一、水が出なかった場合は当社の責任・費用で現状復帰します。
Q3. 上水道は完全に不要になりますか?\
A. 完全停止ではなく、防災対策として地下水と併用して残します。プラント停止時に自動で上水道へ切り替えることで断水を避けます。
Q4. 削減額はどれくらいですか?\
A. 月4,000m³程度の利用では、年間100〜300万円程度が一つの目安です。地域単価、水質、使用量で変わるため個別試算が必要です。
Q5. 調査だけ依頼できますか?\
A. 可能です。まずは水道使用量、料金、所在地、用途をもとに導入可否を確認します。
まとめ
- 地下水利用は、月間4,000m³以上・上水道単価250円/m³以上・月間上水道代金100万円以上で検討余地が出やすい
- 削減対象は主に上水道の従量料金で、下水道料金と上水道基本料金は残る前提で見る
- 水質、井戸規制、設置スペース、契約水量を確認しないと正確な判断はできない
- コストだけでなく、BCP・水源確保・水質向上も含めて評価する
地下水利用の導入可否診断はミズカラ株式会社へ
ミズカラ株式会社(当社)では、法人施設向けに自家水道システムの導入可否診断、井戸規制調査、水質確認、コスト試算まで対応しています。
- 無料診断を相談する: https://atss.co.jp/contact/
- 資料請求: https://atss.co.jp/catalog/
- まず概要を確認したい: https://atss.co.jp/contact/
参考資料
- 環境省「水道水質基準について」 https://www.env.go.jp/water/water_supply/kijun/index.html
- 国土交通省「地下水保全と地盤沈下の現状」 https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk1_000063.html
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