「自助・共助・公助」
東日本大震災等の大規模広域災害の発災時には、行政が全ての被災者を迅速に支援することが難しいこと、行政自身が被災して機能が麻痺するような場合があることが明確になった(「公助の限界」)。
そのような場合には、発災後しばらくの間は、行政の支援を受けることなく、地域住民が自発的に避難行動を行ったり、地域コミュニティで助け合って、救助活動、避難誘導、避難所運営等を行うことが重要になってくる。また、災害からの復興に当たっても、地域住民一人ひとりや地域コミュニティ全体が主体的にかかわることが「よりよい復興」にとって不可欠である(自助・共助)
(内閣府防災情報のページから引用)
もともと防災用語で、普段からの備えをし、周りの人たちと協力できる環境を作り、それ以上のことであれば公的な支援を受けるというものです。最近は政治の世界でも菅総理が自らの政策理念として使われていますよね。
これをメンテナンスに置き換えてみると
「自助」…日常点検
「共助」…チームワーク
「公助」…メーカー外注整備
ラインの機械や水処理プラントは、自らの持ち場だけではなく周辺装置の調子の良し悪しに影響されて故障することも多く、工場全体がバランス良く稼動することが求められます。その為には「共助」にあたるチームワークが重要です。
チームワークの重要性
例えば、現場でこのようなことが起こったとします。
- 自分の持ち場のろ過装置に穴が空くので、その都度数十万かけて溶接を頼んで治してもらっているが再発し、どんどん酷くなる。
↓ - 不良品でもないし、おかしいと思っていたら、大元の井戸水加圧ポンプの制御がおかしくて圧力変動が激しかった。
↓ - 加圧ポンプは見えないところにあり、担当外だし圧力計も壊れていて気付かなかった。
この様な時も、普段から周辺機器の状況に注意し、問題があれば会議を行わずとも現場で担当者と気軽に話せる関係や、困ったら周りの人に気軽に尋ねられる関係が作れていれば早期に発見ができたはずです。
逆にこれができればメーカー整備(公助)を必要とせず、大幅なコストダウンに繋がるとも言えます。先の例で言えば圧力計は交換すべきでした。
自助・共助・公助が三位一体で動くことでメーカー整備の指示が明確になり、無駄なく安く行えますし、結局のところメーカーも助かることになるのです。
まとめ
- 日常点検を注意して行い、持ち場の状況をよく理解しておく(自助)
- 問題点や気になる点は周りの人たちと共有・相談し、解決を図る(共助)
- そこから導いた答えによってはメーカー整備を依頼する(公助)
限られた整備予算、無駄なく効果的に使うには、なにより普段からの的確な仕事が最も重要であることがお分かりいただけたと思います。
今一度、持ち場の問題点や気になる点を整理したり、ワンチームとして動くために職場の風通しを上司と共に見直してみてはいかがでしょうか?