製造業において利益を最大化する方法は、2つしかありません。「売上増加」か「経費削減」です。
効果が現れやすいのは「経費削減」ですが、中でも水道料金の削減方法は多種多様です。工場が取り組みやすい経費削減の一つとも言えるでしょう。

今回の記事では、工場の経費削減方法として水道代の節約についてご紹介いたします。

工場での水道代削減の手順

工場での水道代削減を目指す場合には、ただ漠然と行っていたのでは効果も表れにくく、またどの程度の効果があったのかも把握できません。効果を最大限にし、担当者に対して適正な評価を行うためにも、以下の手順を踏みましょう。

①現状の水道代を正確に把握する

水道代削減のために最初に行うべきことは、現状、どれだけのコストがかかっているかを正確に把握することです。この「現状把握」というのは、水道代の削減のケースに限りません。どこ(部署・工場・マシン)でどれだけのコストがかかっているかを把握することは、非常に重要です。

②コスト削減の目標値を設定する

水道代の現状を把握できたら、コスト削減の目標値を設定しましょう。
目標値を設定する際のポイントは、「目標が適正であること」と「継続性を維持できること」です。

まず、目標値が高すぎて非現実的な数値になってしまっている場合には、従業員に取り組む意欲が起こりません。反対に、あまりにも低い目標値の場合には、水道代削減効果よりも手間や負担の方が大きくなってしまいます。新たな設備を導入する際などは、見通しが立ちにくい部分もあるかもしれませんが、現実的かつ達成感の得られる目標を設定しましょう。

そして、目標は一度達成したら終わりではありません。経費削減の状態を維持し、さらに削減を目指せるよう、継続性をもって行える方法を考えましょう。つまり、コスト削減効果が大きかったとしてもスタッフの負担が大きな方法や、業務効率が落ちてしまう方法は、継続性を保ちにくく結果的には利益の最大化には結びつかないこともあるのです。

③水道代削減の方法を検討する

次に、具体的な水道代削減方法について検討します。水道代削減方法は大きく分けて2つあります。「業務のオペレーションによって削減を目指す方法」と、「設備投資によって削減」を目指す方法です。

水道代削減効果を最大限にするためには、対応しうる方法をすべて拾い出し、一つひとつ検証していくことが重要です。

水を中心としたコストダウンと省力化と防災対策

工場での水道代削減方法

工場での水道代削減方法についてですが、以下のような方法があります。

地下水を利用する

水道代削減の最大の方法は、敷地内に上水道とは別の水源を持つことです。
工場や施設の場所にもよりますが、井戸を掘って地下水を汲み上げる設備(自家水道システム)を導入すれば、上水道を利用するよりも大幅に水道料金を軽減できます。

また、地下水を汲み上げて使用するためには、高度な膜でろ過し浄水する必要がありますが、ろ過水の水質は、一般的に高品質であることが多いのが特徴です。「水道水よりも安全な水」として、緊急時や災害時に有効活用することも可能です。

余剰工業用水を有効活用する

冷却水や洗浄水など、水の使用量が多い工場では、工業用水の契約をしている場合が多いと思います。
工業用水は、契約水量を超えると超過料金が発生してしまうため、多少余分に契約している場合がほとんどです。その余剰分を上水道の代替として使用すれば、大幅なコストダウンが期待できます。

水を有効活用するその他のシステム

豊富にある水資源を有効活用するシステムはまだまだあります。
海水を工業用水として利用するシステム、雨水を利用するシステム、排水リサイクルシステム、油を含む水を浄化するシステムなどです。

どのシステムを利用すれば水道コストの削減につながるかは、専門的な知識が必要なため、分からないことも多いと思います。
その場合には、水処理運営に特化した当社ミズカラ株式会社(旧:アクアテクノシステムソリューションズ株式会社)に、是非ご相談ください。

お悩みに応じたベストな解決策をご提案いたします。

工場の機械の再検討

どのような機械であれ、一般的に最新の産業機械、電化製品は省エネ化が進んでいます。水洗トイレなどでも同様ですが、機械や機器を見直すことにより節水を測る方法もあります。機器の導入費用が発生しますが、契約によってはリース契約やレンタル契約など、まとまった出費を抑える方法もあるでしょう。

スタッフ個々が節水に注意する

地道な方法にはなりますが、スタッフ一人ひとりが節水意識を強め、無駄遣いしないように注意するだけでも、一定の水道代削減効果は期待できます。節約を意識することで、水道だけではなく電気や備品、消耗品にもコスト意識が生まれますので、スタッフの意識改革という意味においてもスタッフに節水を呼び掛けることは重要です。

まとめ

今回の記事では、工場の水道代削減方法について、考え方(手順)と具体的な方法を解説しました。

工場の水道代削減のための方法は、以下の手順を踏んで検討してみてください。

  1. 現状把握
  2. 目標の設定
  3. 具体的な削減方法の検討

水道代の削減方法には、個々の従業員に「節水」を意識付けることも大切ですが、最新機器やシステムの導入、排水や雨水の再利用など、さまざまな方法が考えられます。

まとまった導入費用や業務への支障、スタッフのモチベーションの低下などの懸念点がある場合には、懸念点を払拭できるよう専門の会社に相談してみることをおすすめします。より効果的なコストダウンの方法を、提案してもらえるかもしれません。

工場の無駄な水道代を削減して、利益の最大化を目指しましょう!

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