「工場の省エネ対策」と言えば、何をされていますか?
工場の生産性を落とすことなく、今使っている電気やガスなどのエネルギーを圧縮出来れば、その分コストが圧縮出来るため、利益が高まるのは当然のことです。
しかし、一言で省エネといっても、何から手を付けていいのか、あるいは、どんなものが省エネになるのか分からないこともあると思います。
ここでは、9つの省エネ機器や省エネ技術について、ご紹介しましょう。
目次
省エネ機器、技術
1.太陽光活用照明
その名の通り、太陽の光を活用した照明設備です。屋根の上に採光ドームを取り付け、室内に太陽光を送り込む仕組みであり、そのまま照明代の圧縮に繋がります。秋や冬といった太陽光の弱い時期でも活用できるようになっているほか、紫外線や熱もカットした上で採光できるため、生産物に悪影響を与えることはないでしょう。
省エネ効率は最大で35%といわれています。
ただし、天気に左右され不安定となることがある点は注意が必要です。
2.無電極ランプ
海外では既に普及していますが、日本ではまだ馴染みのない無電極ランプ。無電極ランプは、水銀灯よりも大幅に低い消費電力で、瞬時の点灯や消灯に対応できます。
省エネ効率は水銀灯と比較して約30%程度であり、拡散性が高いため、手元の明るさを確保するのにも活用できます。
また、長寿命にも優れていて、長寿命でよく知られているLEDよりも、その効果は高いと言われています。
そのため、交換作業が難しい箇所への設置に適しています。
3.気化熱利用型給気システム
水の気化熱を利用し、冷風や温風を生み出す装置で、冷暖房に活用できます。
夏には排気用の層に水道水を流して冷風を作り、冬には室内空気を循環させて温風を作るという技術であり、夏冬のどちらにも対応できるため、省エネ効果の高い技術といわれています。
省エネ効果は最大で87%にも上ります。
4.霜取り運転最適化システム
冷蔵庫や冷凍庫の霜取りは、実はエネルギーロスの大きいことで知られています。
しかしこの最適化システムを利用すれば、空調効率は最大で40%も改善できるでしょう。
霜を減少させるだけでなく、庫内そのものを冷やす働きもあります。
5.コンプレッサ稼働最適化
コンプレッサを集中的に設置することで、排熱効率を高める仕組みです。
特に発生した熱風を排気する手法を工夫すると、電気コストを大幅に削減できることが知られています。
6.エアロス調査
エアロス調査とは、コンプレッサ配管の問題点(空気圧の漏れ)を調査することです。
コンプレッサ内の配管に異常がある場合には、特殊な周波数が発生することが知られています。この周波数をキャッチする機器を使い、調査していくのです。
エア漏れの場所を特定し、すぐに修復することでコンプレッサーの省エネに貢献することができるので、
定期的にエアロス調査を行って、エアロスを最小限に留めたいものです。
7.廃プラ破砕洗浄機
食品残渣や油分などが付いている軟質系廃プラがたくさん出てしまう工場にとって、この破砕洗浄機は大きなコスト削減に繋がるでしょう。
この破砕洗浄機に軟質系廃プラを通すことによって、有価相当の廃プラに転換し、産廃コストを圧縮します。
うまく行けば、廃プラを販売できる形に生まれ変わらせることも出来るかもしれません。
8.第三世代消臭・殺菌水
食品添加物でもある「次亜塩素酸ナトリウム」と「希塩酸」を水で希釈混合し、殺菌水として利用する技術です。行政機関や病院協同組合の認可も受けている、人体に全く悪影響を与えない殺菌水であり、工場以外の用途にも注目されています。
9.自家水道システム(地下水・余剰工業用水の有効活用)
自家水道システムとは、深層地下水や余剰工業用水を汲み上げろ過し、製造用水や飲料水、散水などの水を供給するシステムのことです。
地下水自体は基本的には無料ですし、工業用水は上水道料金に比べて非常に低価格なため、
使用水量が多い工場や、上水道料金が高騰している地域に施設が位置している場合には、大きなコストメリットが期待できます。
水道料金の削減率は約30%、地域によっては50%程に圧縮できるほか、非常時における第二水源として活用することができたり、水質向上をはかることができたりするなど、導入メリットは多くあります。
まとめ
あまり聞きなれないものもあったかと思いますが、どれもコスト削減としては非常に注目していきたい機器や技術です。工場の省エネ化は、企業のイメージアップにも貢献します。
ぜひ、参考にしてみてください。
(アクアテクノシステムソリューションズ株式は2020年10月1日を持ちましてミズカラ株式会社へと社名を変更いたしました)