蔓延している”怪しい水科学”

人間の身体は60~70%が水。
だから、良質な水を摂取することは大切ですね。

というもっともらしい広告に、良く振り回される水処理業界ですが、分かっているようで分からないことも多く、奥が深い(ややこしい?)のが水科学。

健康を願って水を飲むことは良いとして、設備用となれば投資に見合った効果があることを見抜く力が必要です。

今回は、良くある水科学の事例でその見抜き方をご紹介しましょう。

○いわゆるニセ水科学系

この種のセールスに対してブレてはならないのは、「水の性質は変わらない」ということ。

水は、水中に溶けているイオンや分子、ガスなどの物質が、水の中で様々な反応を起こし色々な性質を示しますが、水はあくまでもその「入れ物」のようなものと思ってください。

ですので、水そのものが変化するとされる磁気処理やクラスター論といった水科学は、そもそもその存在自体が証明されていない上に、測定も不可能ですから、効果保証をメーカーがしたくてもできないものと言えます。

○一部のノンケミカル商品

実は普通に化学的に作れるものを、あえて装置で作る技術。
アルカリイオン水や電解次亜水などが、それに当たります。
アルカリイオン水は水中のイオンを電気分解して、酸とアルカリに分ける技術ですが、水に酸やアルカリを足しても効果は同じです。

酸やアルカリ薬品を使わなくていいメリットはありますが、それ以上に特別なものではありません。電解次亜水も同様、塩素剤と同じです。

なお、”ノンケミカル水処理”に関しては、以前にも記事中で触れたことがありますので、こちらもご一読ください。
水処理薬品の安全性とは?ノンケミカル水処理についても言及!

○夢の微生物製剤

エコで安全な微生物として菌の効能が宣伝されますが、菌は生き物ですから必ず「飼い方」があります。
温度や時間、酸素量や栄養など条件を明示した企業は信用できますが、「これを入れれば大丈夫!」と太鼓判を押すところは気を付けましょう。

もしシンプルな装置や菌で水処理ができるのであれば、世界中の水処理はそれに置き換わっているはずです。
現在でも置き換わっていないことを考えれば、一部には効果があっても他のところでは効果が出なかったという、再現性が低いという問題があると考えるのが一般的です。

”水科学”を鵜呑みにしない

いずれにしても狙う効果が明確で、水質基準などの条件が示されている事が重要です。
これは主観ではなく客観性を持つ意味でも大事なことです。
「まず使ってみて良かったら買ってください」という業者はNGです。

物によっては数百万円の支出を要するものもありますし、設備用は失敗したときの損失も大きいので、採用前に効果や責任の所在をハッキリさせましょう。

カタログなどの美辞麗句は鵜呑みにせず、迷うなら専門の水処理会社に相談する事が無難ですね。
当社も水処理業界の1社として、正しい情報を発信していきたいと思います。

ミズカラ株式会社(旧:アクアテクノシステムソリューションズ株式会社)

Pocket