よく「名も無い家事」という言葉を聞くことがあると思います。

主婦の奥さんがやっている掃除や洗濯などの家事を、旦那さんもやっていると言うけれど、
ゴミ出しはするけれどまとめるのは奥さんだしゴミ袋を補充するのも奥さん。

料理は作るけれど皿洗いは奥さん、賞味期限を確認して冷蔵庫に食材を揃えるのも奥さんといった具合です。

表に出る仕事をする為には、沢山の準備が必要だし、それを想像する事が重要という事の表れかと思います。

これは、現場におけるメンテナンス工事にも当てはまります。

水処理会社がメンテナンス工事を依頼されると、必ず現地調査を行います。

対象の装置が同じでも、現場ごとに設置状況や環境、電源、水道、エアなどのユーティリティの位置も違い、
準備する物も変わるからです。

例えば、ポンプや計器などのメーカーメンテは、対象の機械が目の前にあってそこで整備を行う段取りしかしません。

なので、プラントを止めポンプを取り外すまでの工事は水処理会社、本体を分解するのはメーカーといった切り分けが多いです。

もし水処理会社が居なければ、お客様が全てお膳立てしないとならず、
条件が揃わないとメーカーは帰ってしまいます。

その他、搬入経路を確認し、脚立、足場、台車、ロープ、ブルーシート、梱包材など、
工事に必要だが現場に残らない副資材、潤滑剤や消泡剤のような雑材消耗品なども水処理会社が用意します。

一つ一つは大したものでなくても、なければ工事が進みませんので大変重要なものです。

そして何より、工程管理や発注した部品や機材の納期管理や、送り先の確認。
受取担当が途中で変わっていないか、荷卸しは現場でできるかなど確認事項は山程あります。

水処理会社は、配管工や溶接工など、専門的な職人ではありませんが、
それだけに「名も無い工事」を如何にこなして、職人さんに気持ちよく集中してもらえる事が役割であり、
腕の見せ所。

そしてお客様からしてみれば、この様な雑多なメンテナンスの段取りから解放され、
本業の生産活動に集中していただける事が、役割と考えております。

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