えっ?水処理は水の汚れを無くす為に使うものでは?という声が聞こえてきます。
確かに水処理とは、原水に含まれる不純物を除去して、浄化(=処理)とします。
しかしその反面、除去した汚れは必ずどこかに残ります。
フィルターで水の汚れを除去すれば、汚れはフィルターに残ります。
そして、詰まったフィルターは産業廃棄物になります。
では砂ろ過なら良いかと思いますが、汚れがろ材に残るのは同じ。
その汚れは、逆洗水として排水されます。
微生物で有機物を除去すれば、微生物が増殖し汚泥となります。微生物が消化した有機物は排出されませんが、有機物を含んだ汚泥は産業廃棄物です。
活性炭で溶剤を吸着すれば、活性炭に溶剤が残ります。
使用済み活性炭も産業廃棄物です。
因みに活性炭は焼いて再利用できます。
しかしこれも吸着した溶剤が、空気中に放出されます。
いずれにしても、水処理を行えば悪いことは全て解決!ではなく、
悪いものを別の場所に移しているだけ。
必ず廃棄物が関わってくるものです。
処理水水質を見るだけでなく、除去したものが最終的にどうなっていくか?
先の逆洗水などは、下水として放流する所もあれば、共同の排水処理設備に導いて、全体で処理したり希釈で対応したり、逆洗水に合わせた凝集沈殿設備を有するものまで、様々です。
中には雨水に捨てていた事例もあり、知らず知らずのうちに、自社のプラントが法律違反を起こしていたかも知れません。
水処理会社を招いて、一度、そういう目で自社のプラントを見直すのも良いと思います。