我が国日本も参画している国連の開発目標である、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の”ゴール6″には
水における開発目標が設定されています。

そこには、”人々が淡水資源にいかにアクセスできるか”が持続可能な開発の重要な視点になると定義されています。

これはまぎれもない事実であり、私たち人間を含む多くの生物にとって必要なのは、淡水なのです。
淡水が不足してしまうと、生物は生きていくことができません。
「水の惑星」と呼ばれている地球ですが、そのほとんどは海水であることを、理解しておく必要があります。

近年、水不足問題が取り沙汰されていますが、海面上昇問題もいよいよ本格的に対策していかなければならなくなってきました。

そこで今回は、水不足問題ではなく、地球温暖化によって引き起こされる水害という視点で話していきます。

水資源が受ける地球温暖化の影響

地球温暖化はなぜ引き起こされるのか?

現在の世界の平均地上気温は、上昇傾向にありますが、
特に1950年以降の平均気温の変化は、これまでに前例のないほどのスピードで気温が上がっています。

参照元:地球環境の限界と持続可能な開発目標(SDGs)

世界の年平均気温偏差

引用元:気象庁

実は、科学的に人為起源影響と自然起源影響のみの経年比較シミュレーションを行った結果、
人為起源の影響を加えないと、観測値のような気温上昇は起こらないことが明らかになっています。

つまり我々人間が、地球温暖化を引き起こしているということです。

ここで少し温暖化の仕組みについても、触れておきましょう。

温暖化は、石油や石炭などを燃焼させると発生する温室効果ガスによって引き起こされます。
温室効果ガスの種類は非常に多くありますが、二酸化炭素(Co2)やメタンはよく耳にしますね。

街中や広告でもよく「CO2削減!」「STOP!CO2」などの表記を目にすることがあると思いますが、
二酸化炭素は私たちがもっとも多く排出している温室効果ガスで、
温暖化に多大な影響を与えているとされています。

出典元:気象庁の温室効果ガスにおける発表データ

この二酸化炭素を吸収してくれるのが植物なのは皆さんもよくご存じだとは思いますが、
森林伐採などにより地球上から植物が年々減少しているため、大気中の二酸化炭素は増加しており、
その結果として、温暖化が加速してしまっているのです。

地球温暖化に対するSDGsのゴール13の取り組み

地球温暖化を防ぐためにSDGsの”ゴール13”では、
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じることを目指しています。

具体的には、政治的な意識や幅広い技術を活用して、
地球の平均気温の上昇を、産業革命以前の水準から2℃以内に抑えることと定められています。
この”2℃以内”という設定が危険ラインとなっていて、人間が自然と共存して耐えられる限界レベルとされているのです。

では、温暖化を阻止するために世界ではどういう取り組みをしているのでしょうか。
取り組みは5つあり、以下の通りです。

引用元:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

どの取り組みも個人や企業だけでなく、
世界全体で取り組まないと、容易に達成できるものではありません。

しかし、世界中の人へSDGsの存在を知らせ、
世界の一人一人が環境問題に対して自分も人ごとではないんだという自覚を持てる世の中を作っていくことで、歯止めを効かせることは可能なはずです。

そのために私たち企業ができることは、地球温暖化を防ぐための取り組みに積極的に取り組める文化の醸成に一役買う必要がありそうです。

地球温暖化によって引き起こされる重大な海面上昇問題

地球温暖化によって、引き起こされる水害の代表には海面上昇があります。

海面上昇は、気候変動の影響を受けて引き起こされる危険な現象として、
最もよく知られているものの一つです。

下記のグラフをご覧ください。

事実、1900年代と比べて現在では、100mmも海面が上昇しているのです。

海面水位変化

引用元:IPCC(2007)

このままのスピードで上昇を続けると、
21世紀の間、つまり100年間で50cmも海面が上昇してしまうと言われています。

50cmというと、ちょうど小学校で使っている学習机の高さまで水位が上昇するということです。
これは早急に対策が必要であることを実感できるのではないでしょうか?

そして、その影響をいち早く被ってしまうと言われているのが、
中国、バングラデシュ、インド、ベトナム、インドネシアなどの沿岸アジアと呼ばれる地域です。

沿岸アジアに位置する国々が、海面上昇の影響を強く受ける大きな要因、それは海岸の標高です。

CLIMATE CENTRALのレポートによると、2050年までには中国国内の標高が低い地域、現在9,300人が生活している土地の高さが、地元の平均年間沿岸洪水の高さより低くなることが報告されています。

将来的には防波堤がなければ、国一つが海に飲まれてしまう可能性が非常に高いのです。

出典元:CLIMATECENTRAL

水を中心としたコストダウンと省力化と防災対策

最後に

今回は水不足問題ではなく、地球温暖化によって引き起こされる水害という視点で、話をしました。

水不足も当然深刻な問題ですが、それと同等に地球温暖化による水害の影響も、
非常に危惧すべき事柄であることが、お分かりいただけたと思います。

今回取り上げた海面上昇の原因でもある地球温暖化は、二酸化炭素の排出量を抑えることで、軽減することが可能です。

個人の力では、どうしても根本の原因を解決することは困難ですが、
組織として、企業として、国として、そして地球で暮らしている者として、
できることを、考えていきたいものですね。

ミズカラ株式会社(旧:アクアテクノシステムソリューションズ株式会社)

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