BEMSという言葉をお聞きになったことはありますか?

ビルエネルギーマネージメントシステムの頭文字を取ったもので、具体的には、建物全体のエネルギーを管理し、空調機を自動制御することで、電気料金およびCO2排出量の削減が可能なシステムのことです。

空調の電気代対策としてはデマンド監視装置やデマンドコントローラーを導入されている企業さまも多いですよね。

デマンド監視装置は設定されたデマンド値に近づくと警報が鳴ったりメールでお知らせが来るものですが、アラートが出るたびに空調の電源を切って回る手間や、影響の少ない事務所スペースばかり空調を切ることになり従業員から不満が出たり、空調を切ることのできる部屋がほとんどなくて結局デマンドを超えてしまったり…というのはよく聞く話です。

また自動制御タイプのデマンドコントローラーではいつも同じ部屋が暑くなったり寒くなったり…。
空調の電気代対策はいかに”我慢するのか”だと諦めている方も多いかもしれません。

BEMSにもいろいろありますが、今回ご紹介するのは快適性を損なうことなく空調の自動制御ができるシステムです。

なぜ快適性を維持した上で空調の自動制御ができるのかというと、各エリアの人の高さに温度センサーを複数設置し、そこで計測した温度を元に、制御可能な(快適性を損なわない)空調を瞬時に自動判別できるプログラムを搭載しているからなのです。

日当たりの良し悪しや、出入り口からの遠近などの条件によって、空調はどうしてもエリアごとに温度ムラが発生してしまいます。
このBEMSは人の高さで快適な温度を維持することにこだわって開発されている商品なので、従業員の方に不快な思いをさせることなく電力コストの削減が可能となるのです。

デマンド監視装置やデマンドコントローラーは、設定したデマンド値に電力使用量が近づくと警報が鳴ったり、予め決めておいた順番に電源を切っていくことによって、設定デマンドを超えないようにするシステムであり、電気料金の基本料金に影響するデマンド値を抑えることにフォーカスしたシステムです。

一方、ご紹介しているBEMSはデマンド値を抑えることはもちろん、ピーク時以外でも空調機のムラ・無駄を省くことにより、年間を通じて空調で使用する電気使用量を抑えていくシステムです。
ですから、基本使用料だけでなく従量料金部分も削減ができるため、電気代削減効果が大きくなるのです。

具体的に工場におけるBEMS導入例を見てみましょう。

印刷工場さまや精密機器工場さまでの導入事例をご紹介します。下記のグラフをご覧いただくと分かるとおり、電気料金全体の7~8%の削減実績が出ています。

工場での電気代の大部分は製造機械が占めているという企業さまも多いかと思います。
製造機械の省エネは投資も大きくなりハードルが高いですが、空調機なら製造ラインに影響を与えることなく省エネ可能です。
新たな空調機を導入いただく必要もなく、今ある設備を活かしながら省エネが図れるのです。

工場内だけなく、本社ビル等オフィスビルでもムラ・無駄を省くことが可能です。

また、SDGsや脱炭素の取り組みとして太陽光発電を導入される企業さまも増えていますが、このシステムは太陽光発電と連携して、太陽光の発電量に応じてデマンドに対する制御を変化させることで、電力会社からの買電量をコントロールし電気料金を抑えることもできます。

このようなAIを駆使した“我慢しなくていい自動制御システム”で快適にかしこく節電やCO2削減に取り組みませんか?

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