新型コロナウイルス感染拡大問題が長引くなか、これから(既に?)必ず出てくるであろう怪しい衛生商品。
これまでレジオネラ対策や防食・防スケール剤に代わる夢の商品がいくつも現れては、現場は混乱していました。

ここは先取りで本物の見分け方、考え方をお話ししたいと思います。
ご参考まで。

1、夢の成分はウソで有効成分は普通

例えば、殺菌剤として一般的な塩素剤に米ぬかを混ぜて商品化し、「米ぬか除菌剤」として売る手法。
塩素によって除菌効果が出ているので、”除菌効果”はありますが、米ぬかは除菌の機能はほとんどないと言っても良いでしょう。
つまり米ぬかは、除菌剤としてはあってもなくても同じです。

良く成分表を確認して、有効成分が何なのかを見破りましょう。

2、特許技術だが中身は普通

特許技術と言っても出願しただけで、登録されていないものもあります。
つまり、中身はいたって普通。

今回の新型コロナウイルス対策に関しては、国から除菌対策が示されているので、
そもそも特許技術は必要ありません。

3、大学の研究成果で産学共同開発

往々にしてシャーレの中での実験データを膨大に添付して、売り込んできます。

某地方大学が、県産の◯◯の粉がレジオネラに効くというので話を聞いたら、
接触時間24時間だったという、実際にはあり得ない条件の実験を、
大真面目にやっていたというお粗末な事例も過去にはありました。

それでも営業担当は、”こんなにデータがあるんですよ”と胸を張りますから要注意。

国の除菌対策と実際の使用データ比較がないものは、鵜呑みにしないことが大切です。

4、上層部からの売り込み

営業マンが人脈を使って、専門でない幹部を説得して現場に降りてくるケース。

輸入品に多いです。

頭ごなしに否定すると幹部の機嫌を損ねるので厄介ですが、
国の対策があるので輸入してまで買うメリットはありませんと、キッパリ伝えましょう。

5、薬品不要で環境対策とコストダウン

耳障りの良いうまい話です。
これは前回にも書きましたが、保証値をキッチリ示した所だけ話を聞きましょう。

ちなみに、新型コロナウィルスに関して国としては、

消毒用エタノール
80℃以上の煮沸
500mg/l以上の次亜塩素酸水溶液

で十分と言っています。

  • 弱酸性次亜塩素酸水
  • 二酸化塩素やオゾン、次亜塩素酸の空間除菌
  • 加速化過酸化水素
  • アロマセラピーやハーブ
  • 免疫アップサプリメント

は、記載がありません。
国として必要性が薄かったり、ヒトへの安全性や、薬剤の安定性、効果の確実性に、まだ不安があるためです。

ひとまず国の対策通りにやって、不都合やデメリットがあるなら、この先何らかの商品が待たれているのかも知れませんが、
大抵は問題ないはずです。

厚生労働省が配布しているこちらの資料もご参照ください。
新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。(厚労省啓発資料)新型コロナウイルス対策(厚労省)

不要不急な便乗商法に振り回されないように、今から理論武装して臨みましょう。

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