皆さんは、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)をご存知ですか?
エス・ディー・ジーズと読みますが、日本だけでなく世界各国が、この国際目標を達成するために、積極的に取り組んでいます。
日本でも政府を始め、多くの一般企業や自治体、教育機関などがSDGsが掲げる課題解決に向けて、活動を表明していますね。
SDGsを達成するためだけでなくとも、環境に配慮することで得られるメリットは、たくさんあります。
今回は、環境に配慮した工場で省エネを実現した事例5選をご紹介したいと思います。
目次
SDGsから見る企業に求められること
SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された、持続可能開発を行うために掲げられた17個の目標です。2030年までにこの目標すべてを達成する必要があります。
2018年には、日本の「SDGsモデル」を世界に発信するために、より具体的なアクションプランを打ち出しています。
このアクションプランのSDGs実施指針の優先課題である「8つの指針」の中に「省エネ・再エネ、気候変動対策、循環型社会」が含まれています。
特に、省エネ・再エネ、気候変動対策においては、産業界に求められている内容があります。
それは、「徹底した省エネの推進」です。
- 産業界がエネルギー削減目標を定めるなど、業界による自主的な取り組み
- 次世代冷凍空調技術の最適化及び評価手法の開発
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)による住宅の省エネ化・低炭素化の促進
の3つが挙げられます。
この3つの取り組みは、2030年度に、対2012年度比で事業者のエネルギー消費効率を35%改善することを目標にしているもので、法律の整備も進んでいます。
この法律とは、省エネ法・建築物省エネ法による規制措置のことを指し、事業者のエネルギー消費効率改善を促進するものです。
また、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金をはじめとする支援措置も導入されています。
補助金の事業内容(例):工場などにおける省エネルギー整備への入替支援・ZEH導入・実証支援・住宅の断熱リフォーム支援 など
参考:環境省 SDGs 「SDGs実施指針」優先課題⑤
企業が特に配慮すべき環境問題とは
企業が配慮すべき環境問題は、数多くあります。
例えば産業廃棄物もそうです。
生産活動をする上で、廃棄物が出てしまうのは仕方のないことですが、私たちができることは、どんなものが排出され、それをどのように対処するかを学び、実行することではないでしょうか。
工場が関わる代表的な環境問題を、下記に記します。
ダイオキシンの発生
廃棄物の焼却やパルプの漂白、化学物質の製造により発生します。難分解性であるため、土壌や水に残されやすく、生体に影響を及ぼします。
参考:埼玉環境化学国際センター
「ダイオキシン」ってどんな物質?
大気汚染
塗料やインクの溶剤に含まれるVOC(有機化合物)は、大気中に気体になる物質で、光化学スモッグなどの原因になっています。
参考:独立行政法人 環境再生保全機構
主な大気汚染物質と人体への影響
水質汚染
工場からの排水が河川に流れ出ることにより、水質が汚染されます。
以前は工場排水が主な原因でしたが、現在は生活排水も水質汚染の要因の1つとされています。
参考:愛知県
川や海の汚れの主な原因は何ですか?(東三河総局 県民環境部 環境保全課 Q&A)
アスベスト問題
以前、アスベスト(石綿)は、工場・ビルの保温断熱材や防音材、ブレーキパッドとして壁に吹き付けて利用されるなど、盛んに使われていました。
現在は、アスベストに肺がんを引き起こす可能性があると報告されているため、使用や製造は原則禁止されています。
参考:厚生労働省
アスベスト(石綿)に関するQ&A
環境に配慮した工場で省エネを実現した事例5選
では、環境に配慮すれば効果はどのようなものが得られるのでしょうか。
大手企業で環境に配慮した工場の実際の事例をご紹介します。
水質汚濁防止
株式会社 浅野歯車工作所
油水分離槽の配置を見直すともに、浮上油回収分離装置を設置し、流出リスクの低減に努めています。
私たちは製品開発力と生産技術力を駆使した「徹底したムダ排除」により、地球環境への負荷低減に努めています。製品の小型・軽量化と高効率化、生産性改善活動、不良の出ない工程づくりは、環境保全活動の重要な取り組みです。
引用:株式会社 浅野歯車工作所
環境マネジメント
CO2排出量の削減
アサヒビール
全工場でビール類の自社製造に必要な年間使用電力量のうち自家発電を除いたすべてをグリーン電力を使用。
ビールを製造時、釜の工程をホップと麦汁の別々で行う技法を開発し、CO2排出量を約30%削減しています。
参考:アサヒビール
環境に対する取り組み
地球温暖化対策
三菱製鋼株式会社
千葉製作所では、経年劣化した水槽制御盤の更新とともに、冷却水循環ポンプのインバーター化を行いました。
圧力制御で電動機の回転数を制御し、電力を削減する事でCO2排出の低減を図っています。
他にも、室蘭製作所では、熱効率の高い省エネタイプのリジェネバーナーへ更新したことにより、製鋼工場の燃焼ガス使用量は、従来比12%の削減を達成しています。
2015年度のCO2排出量は、国内事業所計で17万4千トンとなり、2005年度の29%減となりました。
引用:三菱製鋼株式会社
CSR情報 環境報告
大気・水質・土壌の汚染防止
三菱ケミカル株式会社
三菱ケミカルは、多種多様な化学物質を取り扱っていることから、排ガス・排水処理設備の導入・改善による有害大気汚染物質の排出量削減や、公共水域への汚染物質の排出量削減に、継続的に取り組んでいます。
大気、水質への環境負荷物質(NOX、SOX、ばいじん、COD)の排出量は、低減もしくは維持しています。2017年度は、組織改編などの要因によりNOXが900トン減少しました。
引用:三菱ケミカル
レスポンシブル・ケア活動 環境保全
また、環境保全活動による経済効果も公表されており、
- リサイクルにより得られた収入額
- 省エネルギーによる費用削減額
- 省資源で得られた収入額
を合わせた額は、260億円を超えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
昨今、国際レベルで企業は環境への対策を求められています。政府もSDGsを達成するためにたくさんの施策を施しています。
今こそ、環境への対策を取り組んでみるのはいかがでしょうか。
結果、省エネにつながり、コストダウンの効果を得られることでしょう。
ちなみに、当媒体を運営している当社「ミズカラ」でも、「ATSSのSDGsアクション」として、
SDGsの目標達成に向けて社員一同、取り組みを強化しています。
最後に
当ナビを運営しているミズカラ株式会社は、様々な水処理のご相談を承っています。
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