●「天然水」とは?
コンビニや自動販売機で「天然水」とネーミングされたミネラルウォーターが販売されています。
この「天然水」とは一体なんのことでしょうか。

図-1サントリー天然水 (suntory.co.jp)、参照:2024/5/9

水は全て天から降ってくるので「天然」で、あえて「天然水」というのはおかしいのではないかという疑問が湧いてきます。
メーカーもこの疑問をぶつけてくる消費者に対して次のように回答しています。

図-2  :「天然水」は普通の水とどう違うのですか? サントリーお客様センター (suntory.co.jp) 、参照:2024/5/9

こちらのメーカーは、薬品を一切使用しないで処理した深井戸水を、飲料水やビールなどの原料水として使用していることをアピールされています。

天然水」の作り方
このメーカーのビール工場の一つが、京都府長岡京市にあります。
そこでは、どんな水を使ってビールを作っているのでしょうか。

このビール工場は、ビールを作るための水を深井戸水から汲み上げ利用しています。
その井戸は長岡京市の水道水を作る浄水場の近くにあり、その水もやはり深井戸から汲み上げられています。

図- 3 長岡京市取水井戸概要及び水道施設全体図、長岡京市水安全計画、参照:2024/5/9

そして、その井戸水には鉄やマンガンなどの成分が多く含まれているため、マンガン砂を使ったろ過器に、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を使って取り除いています 。

それでは、この隣接するビール工場の深井戸水にも鉄・マンガンが含まれているのでしょうか。
仮に含まれているとしたら、「天然水」をうたっているので、薬品を使わないでろ過処理され、鉄・マンガンは取り除けないのでビールが金臭くなります。
しかし、このビール工場で作られたビールは金臭くないので、答えは「ノー」で、ビール工場の深井戸水には鉄・マンガンは一切含まれません。
そしてその秘密は、このビール工場の深井戸の深さに関係があるようです。(深さはかなり深いようですが企業秘密のようです)

長岡京市上下水道部、『東第2浄水場における水質管理』、参照:2024/5/9

井戸水の水質は地下水脈の土壌に含まれる成分に影響されますが、このビール工場の深井戸水は、天王山を水源として鉄・マンガンを含まない深い地層(帯水層)から取水されているようです(隣の山崎ウイスキー工場と同じ水脈?)。
そのため、長岡京市の浄水場の水源の深井戸の近くにありますが、ほとんど鉄・マンガンは一切含まれていません。

図- 4 『環境省:井戸のタイプ』より作成、参照:2024/5/9

●ミズカラの深井戸水処理技術
このように、隣接する井戸水でも水質が大きく違うことがあります。
しかし、通常は深井戸水には鉄・マンガン成分が多く含まれるのが普通です。
ミズカラでは多くの経験と、事前の調査を十分行い、鉄・マンガンを含む深井戸水を、水道水水質基準に適合する水質迄磨き上げる技術で、安全・持続的に専用水道として供給しています。

もし井戸水の水質でお困りであれば、ご相談ください。

図-5 ミズカラの井戸水ろ過設備

 

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