Pocket

工場や会社の利益を上げるためには、売り上げを上げるか、コストを下げるのかいずれを行う必要があります。

しかし、工場や会社のコストとは何を指すのでしょうか。

とりわけ製造業のコストといわれると、「材料費」「人件費」「水光熱費」の3つに大きく分類できます。この中で、特に水光熱費については、少し工夫するだけで大きなリターンとして返ってくることがありますので、ぜひ、参考にしていただき、実践してみてください。

1.電気編

まずは、電気について、特に照明について注目してみましょう。

照明は、工場稼働の電気料金の約40%にも上ることがあり、仮にここで電力消費量を10%落とすことが出来れば、電気料金そのものを5%近く下げることが出来る可能性があります。

電気の場合、「インバーター方式」や「LED照明」を利用することで大きなメリットを得られるでしょう。

「インバーター方式」では電気代が平均して8%ほどの節約になるといわれています。一方、「LED照明」は水銀灯に比べて大幅な電気代の削減になるだけでなく、水銀灯が生み出す熱からも解放されるため、空調コストも削減できる優れものです。

「インバーター方式」の採用は、初期費用がかなり掛かってしまうため、中小企業の工場ではあまり利用されていませんが、「LED照明」については、自治体の補助金制度の対象となる場合もあります。ぜひ、確認してみてください。

他にも、最近では、工場の屋根に「太陽光発電」を取り付け、自家発電する施設も多くみられるようになりました。太陽光発電は、年間の電気料金から見てみると、平均して、12~15%ほどの削減となるようです。

なお、電気代の節約として「照明の間引き」というものがありますが、工場全体が暗くなってしまい、従業員の疲労感が増したり、注意力が散漫になってしまったりするという問題があるため、最近ではあまり注目されていません。

電気代の削減については、まずは「LED照明」から検討してみてはいかがでしょうか。自治体の補助金の活用や空調費の抑制にもなるなど、削減の幅が広いので、効果を実感しやすいでしょう。

2.水道編

水道については、大きく上水道と下水道に分けることが出来ます。

上水道料金の削減としては、自家水道システムの導入や節水弁の取り付け、排水リサイクルなどが注目されています。
自家水道システムとは、深層地下水や余剰工業用水を利用し、上水道の代替として水を供給する設備のことです。地下水や余剰工水を水処理装置で浄化して利用することになりますが、製造用水としてだけでなく、飲料水としても利用できます。
自治体から「水を買う」のではなく、自分たちで「水をまかなう」というイメージです。
また、「節水弁」とは、蛇口などに弁を取り付けるだけの非常に簡単なものとなります。しかし、削減率については、最大で30%もの効果があるといわれており、無視することは出来ません。

下水道については、「排水の再利用」がコストダウンの対策としては知られています。
工場排水や厨房排水などは、通常は適切な処理の後、下水に排出していましたが、「排水の再利用」とは、その名の通りその排水を回収し再利用するのです。
もちろん排水をそのまま再利用するのではなく、薬品や装置を用いて浄化して、利用します。
水処理の工程によっては、水道水よりもキレイな水質(純水や超純水)を生成することもできます。
排水の再利用分は、上水道料金よりも低価格で供給されるため、コストダウンの効果は大きいでしょう。
さらに、排水の再利用は「環境保全」「限りある水資源の有効活用」などのメリットもあります。

3.ガス編

ガス料金については、大きく都市ガスとプロパンガスに分かれます。

都市ガスの場合は、「割引制度」を利用しましょう。この「割引制度」とは、東京・大阪ガスとの契約であれば、月々10万円以上から、それ以外のガス会社との契約であれば、月々15万円以上の利用があればそれぞれ割引をしてくれるというものです。このコストダウン策はダイレクトに料金に影響してくるため、大きなメリットを生み出します。導入費用は特にありませんが、経済産業省の許可が必要となるため、事務処理手数料がかかります。

また、的確な数値を出す必要もあるため、専門のコンサルタントに依頼することが最も確実といえるでしょう。また、プロパンガス契約をしている工場であれば、当然、価格交渉を進めていくことをお勧めします。プロパンガスは公共料金ではないため、業者によって料金が大きく変わるためです。

そこで、いくつかのガス会社の料金を比較して、最安値で提供してくれる業者に契約を変えていきましょう。場合によっては、独自のネットワークを持っている専門家やコンサルタントもいます。ぜひ積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

4.その他

公共料金関係のコストダウン対策を講じた後、コンサルタントに他のコストダウン策を尋ねると、必ず人件費について問われます。

そこで、その他として、人件費について考えてみましょう。まずは、「業務フローの見直し」が必要になるでしょう。古くからの習慣によって行われていることや、一見必要に見えるけれども、よくよく考えると手戻りのような作業というものは、意外とどんな工場にもあるものです。こうした業務フローの効率性を高めることで、コストダウンに繋がります。

また、国の雇用調整助成金の活用も視野に入れてみてください。景気変動や季節的なものなどの理由から、事業活動の縮小を余儀なくされた際、一時的な雇用調整(休業など含む)を行うことによって、従業員の雇用を維持した場合に助成される補助金です。補助金ですので、返還義務はありません。うまくいけば大きな資金援助と見做すことが出来るでしょう。

地域の商工会議所などから申請できるこの補助金ですが、条件が変わることもありますので、ぜひ毎年目を通してみてください。