どのようなビジネスにおいても言えることですが、今は売上が順調に伸びていたとしても、流行やニーズの変化、自然災害や事故など様々な要因で売上が停滞してしまう可能性は、常に考えておかなくてはなりません。
そのため、売上のみにとらわれることなく、利益率を高める方法を考え実行しましょう。利益率を上げるためには、売上アップと同時にコストダウンの対策にも取り組むことが望ましいです。
今回は、導入費用をかけずに簡単にできるコストダウンの方法について紹介していきます。「この方法はまだ実践していない」というものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.具体的なコストダウン方法
工場や施設を稼働させる際に欠かせない光熱費を圧縮することが出来れば、大幅なコストダウンに繋がり、利益率の向上を図ることが期待できます。
1-1.LED照明などの高効率照明の導入
水銀灯などに変わる新しい技術として注目されているLED照明ですが、消費電力が少なく長寿命である点から、コストダウンにもつながります。65~80％もの省エネが期待できるという計算があるほどです。照明器具を取り替えるだけで良いので、導入しやすいのが良いですね。また、熱をほとんど出さないため、夏場の空調コストの削減も期待できるでしょう。
1-2.システムやマシンの稼働時間の短縮
見た目からも効率的にも、最もイメージしやすい方法かもしれません。
照明器具の数を減らすだけでなく、点灯時間の短縮や使用する機器、システムの台数を減らすことも並行して行えば、より効果的でしょう。もし、現在水銀灯を利用している場合は、前述したLED照明への交換を同時に進めることで、より一層効果を高めることが可能です。想定される削減量は、最大で50%と言われています。
1-3.自家発電
導入費用は掛かりますが、大きな効果を期待できるのが、自家発電設備です。
また、自家発電設備を導入していれば、災害などで停電が発生した場合でも、工場を稼働し続けることができるというコストダウン以外のメリットもあります。想定削減量は年間20%前後と言われており、投資回収年数は、5年前後と計画されることが一般的のようです。
1-4.都市ガス料金の割引制度
現在、東京ガスか大阪ガスを利用し、月に10万円以上のガス代を支払っている事業所、もしくは、東京ガス・大阪ガス以外を利用しているのであれば、月に15万円以上のガス代を支払っている事業所が対象となります。割引制度を利用するには、経済産業省への申請が必要です。
また、現在はガス会社の変更も大都市を中心に可能となってきました。従来のガスの配管は変わらず、請求元が変わるだけでガス料金の値下げが可能となります。ガス会社が変更可能な地域か調べた上で、切り替えの検討もおすすめいたします。
地域にもよりますが、約5〜10%のコストダウンになりますので是非一度管理会社へお問い合わせいただくか、専門もコンサルタントへ相談してみると良いですね。
1-5.プロパンガス契約内容の見直し
工場稼働に、月々15万円以上のガス代を支払いっている場合は、割引の対象となる可能性があります。専門のコンサルタントに確認してみましょう。東京ガス・大阪ガスとの契約の場合は、月々10万円以上の支払いの場合でも、割引の対象となる場合があります。
1-6.自家水道システムの導入
地下水や余剰工業用水などを利用し、上水道に代わる水源を確保するシステムのことを「自家水道システム」と言いますが、自家水道システムを導入することで、水道料金の大幅なコストダウンが見込めます。
地下水は基本的には無料ですし、工業用水は上水道の1/5程度に設定されていることもあり（自治体によって異なります）、有効活用することで、水道料金の削減が可能になるのです。水を大量に使用する工場や上水道代が高い地域に位置している施設などでは、特に大きなメリットが見込めるでしょう。
また、災害時など断水が発生した際でも水の供給が可能なため、安定的な工場の稼働を実現できる他、地域住民にも水を供給することができ、地域貢献にもつながります。
まとめ
工場で実践すると効果が出やすいコストダウンの方法について、ご紹介しました。いくつかの方法を組み合わせて取り組むと、相乗効果が出て、メリットが出やすいでしょう。
例えば、LED照明に切り替えるとそれだけで省エネになりますが、LEDは熱を持ちにくいため、同時に空調温度を抑えることも期待できます。その上で、照明の間引きや点灯時間の短縮を行えば、より一層コストダウンに繋がるでしょう。
是非、自分の工場に適したコストダウン策を考え、実行してみてください。場合によっては、コンサルタントを利用することも検討し、専門家の意見も上手く取り入れ、経費を削減しましょう。
最後に
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