最近問題の、有機フッ素化合物。
有機フッ素化合物はPFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれています。 またこの有機フッ素化合物の代表的なものとして、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)があります。いわゆるテフロンコーティングの助剤や消火剤など、工業用や日用品に広く使われていました。
しかしこのPFASには、発がんリスクが指摘されており、
しかも困った事に、自然に分解しにくく、体内にも蓄積されやすいという事で、
欧米中心に世界的に警鐘が鳴らされています。
それで、PFASを含むものの製造を制限するなどの動きが活発化したり、
水処理の業界でも、PFASの人への摂取をできるだけ抑えようと、製造規制とともに飲料での規制、排水の規制、水質分析や処理システムの模索が始まっています。
因みに国内では、暫定的に水中のPFAS目標濃度を50ng/L以下として取り組みを行っていますが、
これだけ見てもなんだかピンと来ませんよね。
ng(ナノグラム)とは
μg(マイクログラム)の1000分の1
mg(ミリグラム)の100万分の1にあたります。
よく水質基準に登場するのはmg/L(ミリグラムパーリットル)で、
猛毒で有名な水銀及びその化合物でも飲料水基準は0.0005mg/L。
先程の50ng/Lは
0.00005mg/Lですから更に一桁低いです。
こうなってくると水処理以前に分析技術や採水技術も関わってきますから、
手間も費用もなかなかハードルの高いテーマではないかと思います。
また、仮に水処理がうまく行ったとしても難分解性物質であるがために
汚泥や濃縮液の中にPFASが残留する訳でそれを如何に処分するのかも考えなければなりません。
ヒトを優先して水処理を導入しても産業廃棄物が増えて環境を破壊し、回り回って健康被害が出ては本末転倒です。
いずれにしてもできるだけPFASを使わなくする取組みは意義がありますが、
いたずらに危険性を煽ったり、一面的なメリットだけで高価な装置や商品を売る様な動きはよくありません。
水処理業界としても、技術を確立して無理なく安全が確保できる様にする事と、
社会全体でサステナブルな仕組みを作っていく事の両輪で進める事が重要と考えています。
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