メンテナンスや取付工事など、外部の業者に頼んで見積を取ると「人工(にんく)」という単位で人員の単価が出てきます。
人工とは人1名を1日派遣する場合の単価ですが、現場で作業する時間とその段取りにかかる時間や手間も含まれています。
よくこれを「日当」や「時給」で判断して早く現場が終われば、その分値引きしてくれと頼まれる事がありますが、それは大きな間違いです。
「段取り八分」という言葉があります。
仕事に取り掛かる”準備”を万全に出来ていれば、仕事の8割は既に完了しているようなもの、という意味です。
優れた業者は、現場に入る前に周到に工程を考え、適した人材や工具、材料を手配して揃え、必要なら途中までモノを作って来る事もあります。
逆に準備不足の業者は、現場に来てから材料不足に気づいたり、未経験者に作業をさせてやり直しになったり、慌ただしくします。
とは言え、上記のような準備不足は完全にゼロにはできませんから、優れた業者であればこそそれを予測して、余裕を持った工程を組みます。
だから、うまく行けば早く作業を終わらせることが可能なのです。
発注者としても、夕方までハラハラしながら工事を見るより遥かに楽ですし、次工程への余裕が生まれてメリットしかありません。
ですから、予定より作業が早く終わったことで後から値切られてしまうと、優れた業者はここまでの努力を認めて頂けなかったと感じて、離れてしまいます。
金額は事前に予算に合わせて営業マンと決めるもの。
後から値引交渉するのはルール違反です。
発注者も営業マンも職人さんも、お互いを認めあって気持ちよく仕事をしたいものですね。