使い馴れた設備、先輩から受け継いだ古い設備、これまでも苦労してなんとか使っている設備など、関係ない人にはまったく分かりませんが使っている人にだけ分かる”コツ”や”加減”、結構ありますよね。
半開になったバルブや制御盤の意味不明なツマミ…
なぜそのような仕様になっているのか、なぜそこに付いているのか
自分ではよく分からないため、なかなかイジリたくなくて、ついつい後回ししているうちに先輩が異動して、何を見て調整しているのか分からなくなる、ということ、ありませんか?
そしてそんなときに突然10年に一度のメンテナンスが入り、業者から「これどうしますか?」と聞かれてあたふた。
「そのままにして下さい」と指示しても、メンテナンスで詰まりが取れて、バランスが狂ってしまうこともしばしばです。
実際にあった事例では、噴霧ノズルがすぐに詰まるので洗浄して欲しいという相談だったのですが、見ればノズルの入り口にストレーナーがついている。
なのになぜかストレーナーが詰まらず、ノズルが詰まるのかと疑問を持ち、担当者が初めてばらしてみたら、ストレーナーにスクリーンが入っていなかった!なんてことがありました。
おそらく、最初はストレーナーが詰まっていたのだが、前任が面倒なので外したか、後で入れようと思っていて忘れたか。
今の担当の方はイジった事がないし、ストレーナーも詰まらないからそのまま何年も放置してしまったという事例でした。
メンテナンス業者は事情を知らないので、基本的にはお客様の指示に従いますが、装置の基礎は知っていますので、お困りならメンテナンス業者に相談してみてください。
「本来であればここにこういう部品が付いているはず」
「このような使い方は、本当であればしない方が良い」
など、装置の基礎に準じたアドバイスをしてもらえると思いますよ。
案外、ポンプや配管のレイアウトに問題があったり、制御のタイミングがおかしかったり、思わぬ改善の種が眠っているかも知れません。
普段、なかなか後回しにしてしまいがちな事を見直すのもメンテナンスの効果と言えますから、ここは遠慮なく相談しましょう。