最近ビジネスシーンなどでよく登場する”IoT(アイ・オー・ティー)”というワード。皆さんはご存知ですか?
IoTとは、”Internet of Things“のそれぞれの単語の頭文字をとった略で、「モノのインターネット」と訳されています。
例えば、家電を例に出すと、エアコンにインターネットをつなげて室内の気温管理を自動的に行うのも、IoT技術です。いわゆるスマート家電と呼ばれるものですね。
そんなIoTも最近では、家電や住宅だけでなく工場への導入も進んでいます。「スマート工場」や「工場の見える化」というようなワードもよく聞きますね。工場でのIoT導入には、どのような例があるのでしょうか?
気になる工場のIoT導入について、メリットや事例をもとに、ご紹介します!
目次
IoTの導入によって進む手離れ
IoTの導入によって、今まで人間がしなくてはならなかった作業を、機械が代わりに行うことができるようになります。IoTの最大のメリットとも言えますね。それによって、人件費の削減(省力化、効率化)や人間がやるべき他の作業にリソースをより多く充てることができるようになるのです。
また、ある程度マニュアル化することができるようになるので、品質の差が縮小されます。
具体的なIoTのメリットは、どういったものが挙げられるでしょうか?
IoTの導入メリット
まずはじめに、IoTの導入によって得られるメリットは何と言っても、コストの削減、作業内容の効率化など業務全般がスマートになる点です。
利便性の大幅な向上
IoTを導入すると、やはり利便性は向上します。今まで人間が直接目視で確認作業を行ってきた作業もIoTの導入により、遠隔で行うことが可能になるからです。IoTセンサーやネットワークカメラなどで状況の把握は遠隔でも一目瞭然です。
工場内の設備の不具合など、今まで人間の目視によって行われてきた作業も今後はいらなくなっていきます。その分、人間がやるべきクリエイティブな作業にリソースを充てることが可能となります。IoTの活用で、設備の稼働状況を約25%向上させることにより、生産量が1.5倍に上がった工場の例もあります。
コストカット
IoT導入によって、コストカットが成功した事例はたくさんあります。
例えば、工場の生産設備にIoTセンサーを導入することによって、どこにいてもクラウド上でデータを可視化できるようなります。遠隔でのデータの可視化により、電流値などを常に把握することができるので、ムダな消費電力を改善できるようになるのです。ムダな消費電力を抑え、その分の電気料金が削減されるわけです。
今後、工場内で扱うメーターなども、ますます上記の例のように遠隔でデータを確認できるようになっていくでしょう。
安全性の確保
水処理装置などにはモーターが使用されています。
モーターは消耗品で、寿命があるためいずれは交換作業が発生します。
劣化が進むとそれだけ、ムダな電力消費が発生し装置の故障やコストにもつながってしまうのですが、水処理装置にもIoTの導入を進めることで、こういった問題点も解決してくことが見込めます。モーターにセンサーを取り付け、電流値などのデータを集計するのです。
そして、異常値が出た際にアラートを発するようにすることで、モーターの不具合の早期発見が可能となります。
その他にもIoTの導入によって、ヒューマンエラーの減少も期待されています。人間の手で作業しなくてもよくなる分、新入社員や高齢化の進んでいる工場などでの不要な労災も減っていくことでしょう。
工場のIoT活用事例
工場設備の中で、インフラに関連するIoTの導入は、非常に大きな効果を発揮します。
中でも「水」をIoTによって管理することで、大幅なコストカットや安全性の確保につながるソリューションを実現している事例が多々あります。
水処理設備へのIoTの導入
井戸ポンプ、ろ過装置、薬注装置などの水処理設備にセンサーを取り付け、IoTによってリアルタイムでデータを可視化できます。可視化するので、「見える化」と言ったりもしますね。可視化することで、人災による事故や生産停止などによる事業リスクを防ぎ、現場での点検作業時間とコスト削減が可能になるというものです。
また、従来のアナログメーターの点検は今まで作業員の手によって行われていたので、少なからず誤差が出てしまうこともありましたが、点検自体をIoTセンサーで行い情報収集することで、正確に引き継ぐことが可能となりました。
他にもあります。
水の汚れをろ過する装置にも、IoTの導入が進んでいます。
A社はビールなどを製造する工場で、当然きれいな水を製品に使う必要があるので、ろ過装置を使用しています。このろ過装置も、製品を製造する過程で汚れが溜まっていくため、洗浄作業は必須です。この汚れを取り除くための洗浄作業は、従来では人の手によって行われていました。
しかし、ろ過装置の洗浄作業は非常にコストがかかっており、また作業員による洗浄作業だと丸1日を費やす必要がありました。コストも時間も労力も、費やすことになっていたのですね。
そこで、コスト削減のために導入されたのがIoTセンサーです。ろ過装置に取り付けることで、溜まった汚れを自動的に感知し洗浄することに成功しました。洗浄作業のコストカットによって、なんとA社全体の運営コストを従来比約40%カットを実現しました。
ライフラインのメーターへのIoT技術の設置
IoTの導入によって、作業効率が向上するのは一目瞭然です。
早い段階で運営ベースでのコストパフォーマンス向上のために、IoTの導入を積極的に進めていきましょう。
例えば、電気や水道、ガスなどのメーター。
これまで使用量を測定するためには、作業員がメーターを1つ1つ確認して回る作業が必要でした。
しかし、ここ数年で「スマートメーター」というものが誕生し、作業員が直接メーターを見に行かなくても使用量を確認することができるようになりました。数値の確認だけでなく、遠隔で開栓、閉栓できるようになり、そこに充てる人件費も不要です。これらの要因で、一定数の人件費を削減することに成功しています。
画像引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denki_ryokin/pdf/009_06_02.pdf
IoTで実現する省力化と安全性
総合水処理運営会社である当社ミズカラ株式会社(旧:アクアテクノシステムソリューションズ株式会社)でも、お客様のご要望に応じて、水処理設備にIoT技術を導入しています。
例えば”24時間遠隔監視システム”。
インターネット回線を使用した遠隔監視システムをプラントに設置することにより、運転状況を絶えず監視します。水質、各槽の水位、ポンプの運転状況などの稼働データをリアルタイムに監視センターに送り、一括管理することで、トラブルを事前に予知し、システムの安全性を高めることができるのです。
また、遠隔で確認することが可能なため、監視センターなどに駐屯する必要がなくなります。
このようなIoTの技術を活用することで、省力化と効率化をはかることができ、労務費などのコスト削減にもつながります。
水処理の現場にも、どんどんIoTの技術が活かされていますね。