震災の経験がきっかけとなり、断水などの非常事態に備えて、防災目的で井戸を掘りたいという病院からの問い合わせが、2019年と比べて3倍増となっています。
本記事ではその大きな理由2点をご紹介致します。
災害指定病院へ、BCP(事業継続計画)が義務化
厚生労働省は、大規模自然災害を機に、被災しても速やかに機能を回復し診療を続けるための事業継続計画(BCP)の策定を、災害拠点病院に対しては義務化、一般病院に対しても努力義務としています。
災害拠点病院とは?
厚生労働省より定められた様々な要件に従い、「災害時における初期救急医療体制の充実強化を図るための医療機関」として機能を備えた病院のことです。
各要件については下記URLより参照が可能です。
▶災害拠点病院指定要件-厚生労働省-
指定要件には、「適切な容量の受水槽保有、または停電時にも利用可能な地下水利用のいずれかにより、少なくとも3日分の病院機能を維持できる水の確保」や、「通常時の6割程度の発電容量のある自家発電設備などを保有し、3日分程度の燃料を確保すること」などが含まれます。
3日分の必要水量を受水槽で賄うには相当大きな受水槽の設置が必要なため、設置場所の問題が発生します。
しかし地下水であれば、病院敷地内に井戸を掘るため交通網の寸断などの影響もなく、非常用発電機などの電源を確保しておけば組み上げることが可能なことから、BCP策定に対応するために井戸の設置を検討する病院が増えています。
病院に対する総合的な防災対策サポートへの需要が急増
東日本大震災で被災された茨城県の病院から「停電と断水により病院機能がすべて停止してしまって、特に水は復旧までに時間が掛かり、患者さんの食事の用意も、入浴もトイレも手洗いもできず、とても困った」とご相談を頂くなど、特に震災があったエリアの病院から井戸の掘削の申し込みや問い合わせが増えています。
また、被災の経験により、水だけでなく停電対策も重視される病院が多いことから、LPガスを利用した非常用発電機の設置も同時にご提案することで、大変喜んで頂けました。
地下水を組み上げるためのポンプや濾過装置は電気を使用して動かしているため、断水と同時に停電が発生した場合、使用できる水量に限りがあるため、水だけでなく電気やガスを含む総合的なライフラインの確保までのご提案への需要は、今後更に高まるものと思われます。
まとめ
防災への取り組みは、災害指定病院はもちろん一般病院においても、今後一層強化されることが予測されます。
当社では、事業継続計画(BCP)に取り組んでおられる病院をサポートさせて頂くことで、より多くの皆様へ、いかなる時も安心安全できれいな水をお届けできるようにしていきたいと考えております。
本件に関するより詳しい内容をご希望の場合、下記より是非お問い合わせください。