工場などの水の使用量が多い施設では、上水道よりも低価格である「工業用水」の契約をしている場合が多いと思いますが、工業用水を有効活用することで、水道料金の大幅なコストダウンが可能なことをご存知ですか?
今回は、水道料金のコストダウンのひとつの手段として、工業用水のろ過システムについて記載します。参考にしてくださいね。
目次
工業用水の契約水量について
工業用水とは、水力発電に使う水や飲用を除く、製造業、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業で使用される水の事を指します。
飲料水や人体に触れる可能性のある箇所での使用はできません。
主に冷却用や洗浄用として使用されることが多いですね。この2つの用途が約6割※を占めています。
※大阪市平成29年度の場合
参考:大阪市水道局:工業用水事業について
工業用水は上水道に比べて非常に低価格で、基本料率が上水道料金の1/13程度※に設定されていることもあります。
※東京都水道局の場合
参考:水道料金・下水道料金の計算方法(23区) | 手続き・料金 | 東京都水道局
工業用水道料金 | 水道事業紹介 | 東京都水道局
工業用水を使用するには、上水道とは別に契約することが必要です。
工業用水を契約する際、契約水量を定めるのですが、契約水量を超えると超過料金が発生するため、想定される使用水量より多少余裕をもって契約することがほとんどです。
しかし、仮に実際の使用水量が契約水量に満たなくても、契約水量分の使用料は支払う必要があるため、どうしても余剰分が出てきてしまいます。
この契約水量の余剰分を、ろ過して飲料用に転用することができることをご存知ですか?
余剰工業用水の飲料水への転用について、詳しく説明いたします。
工業用水を飲料水として使用するためには専用水道申請が必要
工業用水は、先にも説明しましたが、そのままでは飲料水として使用はできません。
粒子や細かいゴミなどを沈殿させて取り除いてあるのみで、ろ過処理や塩素の投入を行っていないからです。
そのため、工業用水を飲料水に転用して利用するためには、浄水するための水処理システムを導入し、その上で専用水道として申請して運用する必要があります。
当社では自家水道システムと呼んでいますが、自家水道システムの水源は、通常地下水を採取することが多いのですが、工業用水を水源として利用することも可能です。
工業用水を有効活用するメリットとは?
自家水道システムを導入して、工業用水を飲料水として転用するメリットは、大きく平常時と災害時に分けることができます。
それぞれのメリットについて、探っていきましょう。
平常時
平常時のメリットは、まずは経済性(水道料金のコストダウン)です。
先にも述べましたが、工業用水の料金は非常に安価なので、余剰分を有効活用することによる水道料金削減のメリットは見逃せません。
当社が携わった事例としては、三重県にある化学工場様で、余剰工業用水を有効活用することで、年間の水道料金の削減率は60%にも上ります。
緊急時
大地震や豪雨による土砂災害といった大規模災害が発生した際に、重要となるのが水の確保です。
工業用水を転用するための専用水道を持っていれば、上水道とは別の第二水源を持っていることになりますので、緊急時における断水対策になります。貯水槽も併せて用意していれば、防災対策、BCP対策としても非常に有効です。
工業用水を飲料化するための設備の費用
余剰工業用水を飲料化すると様々なメリットがありますが、気になるのはやはりイニシャルコスト(初期費用)やランニングコストではないでしょうか。
そこで、当社はオンサイト方式での設備の導入、運用をご提案しております。
井戸の掘削やプラント費用・基礎工事や配管工事・電気工事など、導入にかかる全ての初期費用を、当社で負担する方式のことです。設備は当社所有になり、お客様は供給される水の使用量に応じた料金を、従量料金としてお支払いいただく仕組みです。
また、契約期間中に発生する毎月のメンテナンス費用・薬品費・ろ過装置のろ過材などの消耗品費、ポンプなどの故障時の修理費に至るランニングコストも全て月々の使用水量1㎥あたりの従量料金に含まれています。
地域にもよりますが、例えばこのようなご提案が可能です。
オンサイト方式であれば、”設備の費用をまた別で負担する”という必要はなく、費用のご負担は純粋に使用水量による従量料金制になります。
つまり、初期投資不要、コストメリット保証、ランニングコスト0での導入が可能です。
オンサイト方式での導入にも、是非ご注目ください。