工場機器や空調機器が冷えない暖まらない不具合。

設備の現場では熱源機器だけではなく熱交換器や配管、ポンプ、タンクが組み合わされて能力を発揮しています。

逆に言えば、不具合があった時にはそのどれが原因なのか、なかなか特定するのが難しいものです。

不具合が起きたので冷凍機メーカを呼んで調べたら、冷凍機に異常なしと言われてそれっきりという経験をされた方もおられるのではないでしょうか?

そこで、ユーザー側として不具合時に押さえておきたいポイントを、ざっくりとご紹介します。

熱量は上げたり下げたりしたい温度差と水の流量の掛け算で決まります。

計算はメーカーに任せるとして、条件は提供しなければいけませんので、普段から感覚として覚えておいてください。

熱源機器の「能力」

まず知らねばならないのがこれです。

冷凍機の入口温度と出口温度、それに冷水の流量をかけて熱量を出します。

冷凍機が100%で動いても図面通りの能力がでなければ「効率低下」です。
冷凍機の整備を行うことで、能力回復させて解決できます。

図面通りの能力が出るのに工場が冷やせない場合は、ラインに足を運んで調べます。

ラインの「負荷」

工場ラインに関連する全ての機器で機械は何℃以下で使いたいのか?
冷却水の温度は何℃か?
冷却水の流量はどれくらいあるか?
を調べます。

個々に必要な熱量を合計して「負荷」を出し先の熱源機器の「能力」と比較して負荷が大きければ、冷凍機増設しかないです。

運転時間のファクター

ただし、実際は負荷合計が能力を上回る事は稀で、特定の機器だけが冷えないという事の方が多いです。

その場合は、冷えない機器について、同じく冷却水入口出口温度と流量を測定し、機器の冷却能力が実際の計画とどう違うかを調べます。

例えば機器が夕方の一時間だけフル稼働してあとはお休みという動きであれば、ピークに合わせて冷却水量を増やすか熱交換器能力をアップさせる事で解決します。

工場全体で熱を使う時間が集中するケースでは、冷凍機の増設ではなく冷却水槽を使って温度変化を平均化する対策も有効かつ安価です。

とは言え、実際に調べるとなるとなかなか個々の機器で温度や流量を正確に知る事は難しいです。

最近は外付けの電磁流量計や表面温度計なども普及していますので、水処理会社のアドバイスを受けながら改善してみては如何でしょうか?

 

Pocket