企業の生産活動において、「水」は欠かせません。
商品を冷やしたり製造したりする過程において、または機械の洗浄など、たくさん利用することがあるでしょう。
生産活動で必要不可欠である水を、上水道から地下水の利用に変えるだけで、水道料金が大幅に変わることを皆さんはご存知ですか?
地下水をメインに利用することで得られるメリットと注意点を中心に、ご説明したいと思います。
目次
工場で使用されている水について
工場で使われている水について、まずは、どのような場面でどのくらい使われているのか見ていきましょう。
工場内ではどのような目的で水が使用されているのか
そもそも、工場では、”水”はどのような用途で利用されているのでしょうか。
工業用水は主に、温調用水、冷却用水、製品用水、ボイラー用水、洗浄用水、原材料用水などに利用されています。
使用水量の多い業種は、化学、鉄鋼、紙・紙加工品等の製造業です。
参考:経済産業省 工業用水
http://www.meti.go.jp/policy/local_economy/kougyouyousui/
どのくらい使われているか
工場での水の需要は、取水量ベース(平成25年現在)で日本の水需要の14%を占めています。
(参考)日本の水使用比率 | ||
農業用水 | 生活用水 | 工業用水 |
67% | 19% | 14% |
出所:平成28年度版 日本の水資源の現況 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_fr1_000036.html
上水道の利用から地下水利用へ変えるメリットと注意点
現在でも、実際に地下水を使ってる水を給水している企業はたくさんあります。
なぜ、そういった企業は上水道だけではなく地下水も使用するのでしょうか。
地下水を上水道の代替として利用するメリットと注意点を見ていきたいと思います。
メリット
1)水道料金のコストダウン
上水道を使うと、水道使用料として基本料金+使用量に応じた料金がかかってきます。
それに対し、地下水は無料です。どれだけ使っても水自体の使用料は発生しません。
ゆえに、水道料金のコストダウンが可能なのです。
また、地下水の水温は一年を通して変化が少ないことが特徴です。
つまり、気温よりも夏は冷たく、冬は温かくなります。
そのため、冷却効率、保温効率がアップし、エネルギー消費も抑えることができるため、光熱費の削減にも繋がるでしょう。
2)水質が良い
地下水は、河川水などと違い細菌などが少ないため、過度な塩素を入れて消毒する必要性が低く、安全性に長けています。
特に深層地下水は、地表からの影響を受けにくいため、水質が安定しています。
3)災害時(震災、台風等)にも強い
災害で水道管が破裂・断水したとしても、地下水を汲み上げているシステムが止まることなく稼働していれば、問題なく水道を使用できます。
地下水を取水するためには井戸を掘削しますが、井戸は地震に強いという心強い特長があります。
私は阪神大震災で被害を受けましたが、災害時は、生命・健康の維持のために飲料水の給水の確保が優先され、また復旧活動においても、家庭への生活用水が優先されました。
その結果、産業用の製造用水が長期間断水してしまい、神戸の産業に大きな影響を与えました。
同様に、東日本大震災においても工業用水の断水が続いたため、工業用水の早期供給を強く求められました。
もし工業用水の供給が停止した場合、工場の生産活動がストップしてしまうだけでなく、延焼火災などを引き起こした際に、二次災害が起こる可能性も指摘されています。
参考:人的資源投入を考慮した工業用水道の災害時における復旧予測モデル
https://www.jsnds.org/ssk/ssk_35_4_271.pdf
注意点
1)初期投資が必要
どの地域でも井戸を掘削すれば、供給を満たす水量の地下水が出るというわけではありません。
まずは水源調査を行い、その地域の水質や供給可能な水量を明確にする必要があります。
また、地下水を汲み上げるためのポンプや水処理装置などの機器代、工事費用なども必要です。
2)ランニングコストがかかる
地下水自体が無料であっても、地下水を利用するために必要なプラントなどを動かすための電力、また、機器のメンテナンス作業、定期的な水質検査のための費用が発生します。
地下水利用の注意点を解消するために
地下水を利用することで、水道料金の大幅なコストダウンが可能であることをご紹介しましたが、初期投資とランニングコストがネックだと感じていませんか?
当社ミズカラ株式会社(旧:アクアテクノシステムソリューションズ株式会社)では、地下水利用の導入にあたっては、初期投資不要のオンサイト方式でのご契約をご提案しております。
井戸の掘削やプラント費用・基礎工事や配管工事・電気工事など、導入にかかる全ての初期費用を、当社で負担する方式のことです。設備は当社所有になり、お客様は供給される水の使用量に応じた料金を、従量料金としてお支払いいただく仕組みです。
また、契約期間中に発生する毎月のメンテナンス費用・薬品費・ろ過装置のろ過材などの消耗品費、ポンプなどの故障時の修理費に至るランニングコストも全て月々の使用水量1㎥あたりの従量料金に含まれています。
また、当社は水処理の運営に特化した企業なので、井戸調査や水処理設備メーカーの選定、工事、行政向け書類作成の代行から導入後のメンテナンスや消耗品の供給、緊急対応まで、トータルで当社にお任せいただくことが可能です。
トータルでお任せいただくことで、それぞれのお悩みに対し、よりベストな解決策をご提案させていただいております。
もちろん部分的なご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。