「省エネ」については、もう何十年も議論されていますね。
新しいアイデアを模索していらっしゃる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、水処理会社から見た「省エネ」について、改めて紹介してみたいと思います。
これまでにない視点や具体策を取り入れ、現場での新たな工夫に繋がれば幸いです。

空調は“小規模分散型”がカギ

まず、空気を送るためのファン。
通常は建物全体を空調するために、大規模な集中ファンを用いて、ダクトを通じて空気を循環させます。
しかしながら、ファンの消費電力は風量の3乗に比例し、しかも長いダクトの圧力損失も加わりますから、集中ファンは省エネ上、実はムダが多いです。

これを解決する方法としては、空調は、できるだけ小規模に、必要な所に必要最低限の風量で供給することがコツ。
その為には、冷したい物や人のレイアウトを工夫したり、断熱などの工夫もすることで省エネに貢献できます。

冷却対象の温度に合わせた冷却手法を選択

次に、冷却対象の温度が高い場合です。
熱処理機械など特定の温度を保つ必要がある機器では、冷却方法の選択が省エネの成否を大きく左右します。
例えば、40℃に維持したい熱処理機械の冷却に、わざわざ7℃の冷水を使うのは非効率です。

なぜなら冷水は、冷凍機内のコンプレッサーに多量の電力を使いますので、このような場合は冷水ではなく、
クーリングタワーの32℃の冷却水を使えば、コンプレッサー不要で且つ十分冷却効果が期待でき、結果として大幅なエネルギーの削減が実現します。

井戸水を冷熱源に活用

また、意外と知られていないのは井戸水の活用。当メディアでは何度かご説明していますが、井戸水は省エネ対策としても注目されています。
井戸水の温度は夏場も冬場も常に15℃前後で安定しており、これを冷熱源として使用できれば、まったくエネルギーを使わずに冷却ができるようになります。特に以下のような用途で有効です。

  • 小規模な設備の冷却
  • 冷房用熱交換器としての活用

ただし使用量が限られるので、使える場面としては限定的かもしれません。

井戸水の活用をご検討されている場合は、一度ご相談いただければと思います。

排水処理水の再利用

最後にご紹介するのは排水処理水の再利用です。
これは井戸水と違っていくら使ってもどうせ捨てる水ですから、水温によっては装置の冷却に使ったり、給湯の余熱に使う事も考えられます。

なお、今までのお話は温度ばかりで水質については省いてきましたが、もちろん機械や環境に悪影響を与えないように熱交換器や水処理装置を組み込んで計画していきます。

水処理会社だからこそできる提案

水処理会社は、冷熱設備に密接に関わる立場にあり、それぞれの利点や欠点を熟知しています。
そのため、既存の設備や設計にとらわれず、現状に最適なエネルギー活用法を提案することが可能です。
ぜひとも私たちにご相談いただき、一緒に持続可能なエネルギー活用の実現を目指しましょう。小さな改善でも積み重ねることで、大きな省エネ効果を生むことができます。

Pocket