「新工場の稼働後、水道料金が経営を圧迫するのは目に見えていた」——千葉県の大手食品工場が、建設計画の段階から自家水道の導入を決断した背景には、食品製造業ならではのコスト構造への危機感がありました。
本記事では、新工場の建設と同時に自家水道システムを導入し、年間8,000万円以上(削減率約70%)の水道料金削減を実現した事例について、導入の経緯、選定のポイント、運用開始後の実態を紹介します。
目次
事例の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 食品製造業(大手食品工場) |
| 所在地 | 千葉県 |
| 導入タイミング | 新工場建設と同時 |
| 導入方式 | オンサイト方式(初期費用不要・従量料金制) |
| 削減効果 | 年間8,000万円以上(削減率約70%) |
なぜ新工場のタイミングで導入を決めたのか
食品工場は、製造用水・洗浄用水・冷却水など、あらゆる工程で大量の水を消費します。新工場の生産能力を設計する段階で、稼働後の水道料金を試算した結果、上水道のみで運用した場合のランニングコストが経営計画に与える影響の大きさが明らかになりました。
既存の工場であれば設置場所の確保、受水槽の改造等が必要となりますが、新工場であれば設計段階から自家水道を組み込めるため、最も効率的な導入が可能です。
新工場同時導入の3つのメリット
| メリット | 既存工場への後付け | 新工場同時導入 |
|---|---|---|
| 設計の最適化 | 設置場所の確保等の改造必要 | ゼロから最適設計が可能 |
| 工事期間中の生産影響 | 1日程度、受水槽の改造必要 | 建設工事と並行のため影響なし |
| 削減率 | 10〜30%が目安 | 条件次第で50%以上も可能 |
📌 ポイント: 新築や大規模リニューアルを計画している施設にとって、自家水道の検討は「設計段階」が最適なタイミングです。稼働開始後に「やはり水道代が高い」となってからでは、再設計にコストがかかります。
オンサイト方式とは——なぜ初期費用ゼロで導入できたのか
この食品工場が選択した「オンサイト方式」は、以下の仕組みで成り立っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラントの所有者 | ミズカラ株式会社(当社) |
| 設置費用 | 当社が負担(お客様の初期投資ゼロ) |
| 料金体系 | 従量料金制(使用した水量に応じた支払い) |
| お客様のメリット | 上水道料金より安い単価で飲料水を使用 |
| 契約期間 | 一般的に10年(3年〜15年選択可) |
「高い上水道」の代わりに「安い自家水道」を使う契約を加えるイメージです。プラントの設置・メンテナンス・水質管理はすべて当社が担うため、工場側は「蛇口をひねれば使える」状態が維持されます。
削減率70%の内訳——なぜここまで高い削減率を実現できたのか
一般的な自家水道の削減率は10〜30%ですが、今回の食品工場では約70%という高い削減率を達成しています。その理由は以下の3点です。
1. 大規模な使用水量
食品製造業は水の使用量が多く、月間数千m³以上を消費するケースが一般的です。使用量が多いほど、上水道の逓増制(使うほど単価が上がる料金体系)との差が開き、削減額が大きくなります。
2. 新工場建設と同時の最適設計
既存施設への後付けでは、配管の制約から100%の切替が難しい場合がありますが、新工場では自家水道を前提とした配管設計が可能。上水道からの切替率を最大化できました。
3. 地下水の好条件
千葉県の当該地域は、良質な地下水が豊富に存在する地質条件でした。水質が良好であれば追加の浄水処理が最小限で済み、運用コストが抑えられます。
⚠️ 注意: 70%という削減率は本事例固有の条件によるものです。地域の地下水条件、使用水量、施設の設計によって削減率は異なります。一般的には10〜30%を目安として検討し、正確な数値は事前調査で確認することを推奨します。
食品製造用水の水質基準はクリアできたのか
食品工場が最も懸念するのは、「井戸水で食品の製造に使える水質を確保できるのか」という点です。
結論
深井戸(100m以深)の地下水に適切な浄水処理を施すことで、食品衛生法が定める食品製造用水26項目の水質基準をクリアしています。保健所に専用水道として届出を行い、毎月の水質検査と結果報告を実施しています。
導入プロセスの全体像
| フェーズ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 事前調査 | 約2-3週間 | 地質・水質調査、規制確認 |
| 設計 | 新工場設計と並行 | 配管設計に自家水道を組み込み |
| 井戸掘削 | 約1ヶ月 | 深井戸の掘削 |
| 許認可 | 約1ヶ月 | 保健所・環境局・水道局への届出(当社代行) |
| プラント設置 | 約1ヶ月 | 浄水プラントの設置・配管接続 |
| 水質検査 | 約2週間 | 51項目の水質分析(食品26項目を含む) |
新工場の場合、建設スケジュールに自家水道の工程を組み込むため、新工場の竣工と同時に自家水道も稼働開始できます。
この事例を自社に当てはめるために
「年間8,000万円」はうちの工場にも当てはまるか?
削減額は使用水量に比例します。以下の簡易チェックで、自社の可能性を確認してください。
| チェック項目 | 条件 | 該当する場合の目安 |
|---|---|---|
| 月間上水道料金 | 100万円以上 | 年間120〜360万円の削減可能性 |
| 月間上水道料金 | 500万円以上 | 年間600〜1,800万円の削減可能性 |
| 新工場建設・大規模リニューアル予定 | あり | 同時導入で削減率最大化 |
| 工業用水道が利用できない地域 | 該当 | 地下水の自家水道が唯一の代替手段 |
よくある質問
Q. オンサイト方式の場合、プラントの所有権は誰にありますか?
契約期間中はミズカラ(当社)が所有・管理します。契約満了後は、解約(撤去費用は当社負担)、再契約(初回の約7割の料金)、買取(残存簿価)の3つの選択肢があります。
Q. 地下水が出なかった場合のリスクは?
事前の地質調査で地下水の存在を確認してから掘削に進みます。万が一、水が出なかった場合は当社の責任と費用で現状復帰します。お客様にリスクはありません。
Q. 千葉県以外でも同様の効果が見込めますか?
地域の地質条件と上水道単価によって効果は異なります。地下水が取水可能な地域であれば全国で導入実績がありますが、削減率は個別条件によって10〜70%と幅があります。
次のステップ
新工場の建設計画がある方、または既存工場の水道料金削減を検討中の方は、まず月間の水道使用量・料金を確認の上、無料の導入可否診断をご利用ください。


