権威勾配とは、飛行機の機長と副操縦士の権威の差が強すぎると、
異常があっても伝わらず弱すぎると責任が曖昧になって、判断を誤るというものです。
元々は安全管理用語ですが、今ではハラスメントなど色々な分野にも応用されています。
工事現場は、まさに安全管理としてのこの考え方を取り入れていて、
発注者〜営業〜監督〜職人〜見習とそれぞれ適切な権威勾配がないといけません。
見習の若者が転落事故を起こすのは、職人と見習の間に安全上の緊張感がなかったり、
監督が厳しすぎて、職人が見えない所で作業していたりなど色々あります。
これの困った所は、主観が入り乱れすぎて書面にしにくく、よっぽど酷くならない限り表面に出ないことです。
なのでこじれる前に、誰かが未然に防がないとなりません。
その為には、組織の中で中間的な位置にいる監督や営業が、日頃から職人や若者たちとコミュニケーションを取って関係性をチェックし、必要に応じて適切な権威勾配を形作ることが大切です。
仕事はチームワーク。
皆が気持ちよく安全に仕事をしてもらえるように、和やかに、かつ緊張感を持って進めていきたいですね。