地下水や井戸水は自然の砂や砂利といったフィルターを通ってきた安全な水のイメージがありますが、実際に飲み水として使うには注意が必要です。
地下水を安全に飲用するためのメリットやリスク、処理方法について詳しく見ていきましょう。

地下水の魅力とは?

まず、地下水を飲料水として使用する場合のメリットを紹介します。

1. 安定した水源
地下水は地表の環境にあまり左右されないため、雨水の少ない時期でも安定した水量を供給してくれます。ただし、安定した水量を確保できる井戸の深度は50m以上と言われています。それよりも浅い井戸は雨水が中心のため、雨量に大きく変動を受けます。

2. 天然のろ過作用
地下に浸透する過程で土や砂、砂利がフィルターの役割を果たしてくれるので、濁り成分はある程度取り除かれます。

3. おいしい水
地下水は一年中一定の温度を保っており、特に夏でも冷たくておいしい水を楽しむことができます。

注意!地下水にもリスクがある

地下水を飲み水として利用する場合、いくつかのリスクに注意が必要です。

1.汚染のリスク
農薬や化学物質、工場からの排水などにより地下水が汚染されることがあります。
特に都市部や工業地域では、地下水の汚染が深刻な問題になることもあります。
また現在、有機フッ素化合物のPFAS(PFOS/PFOA等)の汚染が騒がれていることもあり、注意が必要です。

2.ミネラルが多すぎる場合
地下水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれていることがあります。
硬水として知られ、コーヒーや料理の味に影響を与えることがあります。

3.ヒ素やフッ素などの自然由来の有害物質
日本の一部地域では、自然由来のヒ素やフッ素が地下水に含まれることがあり、健康に影響を及ぼす可能性があります。

地下水を安全な飲料水にするための方法

地下水をそのまま飲むのはリスクがあるため、以下のような浄化処理が必要になります。

1. フィルターろ過
大きな粒子や泥を除去する基本的な処理です。

2. 活性炭ろ過
農薬や有機物など、フィルターだけでは取り除けない物質を吸着して除去します。

3. UV(紫外線)殺菌
バクテリアやウイルスを紫外線で殺菌する方法です。
薬品を使わないため、自然な殺菌が可能です。

4. 逆浸透膜(RO)システム
逆浸透膜を使って、重金属や化学物質をほぼ完全に取り除く高度な浄水技術です。
特にヒ素や鉛が心配な場合に有効です。

5. オゾンや塩素による消毒
さらなる殺菌処理として、オゾンや塩素を使った消毒が行われることもあります。

まずは水質検査をしよう

地下水を飲料水として利用する前には、必ず水質検査を行うことが重要です。
水質検査では以下の項目が調べられます

・pH値(酸性かアルカリ性か)
・濁度(水の透明度)
・硬度(ミネラルの濃度)
・重金属(ヒ素、鉛、カドミウムなど)
・細菌(大腸菌などの病原体)

水質検査の結果に基づいて、どのような浄化処理が必要かを判断します。
特に日本では、飲料水の基準が厳しく定められているため、安心して飲むためには基準を満たすことが不可欠です。

地下水の利用を考えている方へ

地下水は自然の恩恵を感じられる素晴らしい水源ですが、安全に飲むためには適切な処理が不可欠です。
地域によってはヒ素やフッ素の問題もあるため、専門の浄水システムを導入する必要があります。

「おいしい地下水を家庭で飲みたい!」と思われた方、まずはミズカラ株式会社へご相談ください。
土地や環境などに合わせた設備をご提案いたします。

是非一度ご検討ください。

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