「イオンバランス」という言葉を聞いたことはありますか?
一番有名なものはスポーツドリンクなど体液に合わせたイオンバランスの飲料や
特定のビタミンやイオンを添加して、敢えてイオンバランスを崩して体調を整えるものもあります。
また、いわゆる「おいしい水」基準の様にカルシウムや炭酸イオンなどのバランスの高い水が良いとされたりもします。
温泉水では、まさにイオンバランスにより単純アルカリ泉や硫黄泉など、名称が異なります。
さて実は、水処理会社にもイオンバランスを扱っている仕事があります。
機械の場合は、水による腐食や水あか等のスケール付着が障害を引き起こしますが、
これを、イオンバランスから予め予測して対策を打っています。
水は、いわゆる硬質のスケール(カルシウム、マグネシウム、シリカ等)をつけるものと、
鉄などの配管を腐食するものがあり、この性質はイオンバランスによって左右されます。
まずざっくりpHが酸性だと腐食性、アルカリ性だとスケール性です。
中性の場合は、カルシウム、マグネシウム、シリカ、重炭酸イオンが多いとスケール性。
塩化物イオン、硫酸イオンが多いと腐食性です。
少々ややこしい計算ですが、専門的には「安定度指数」として数値化でき、水処理会社はこれを意識して、
スケール防止剤が必要なのか防食剤が必要なのかを判断して提案しています。
水は、外から見ただけではどのような性質なのか判りません。
なので、設備導入時から水質検査を行い、リスクを予測する事が重要です。
また、分析に際してもどんな目的でどんな項目を分析するかの判断も必要です。
そこには、水処理会社ならではの理論があります。
水にかかわる詰まった!や、漏れた!などのトラブルは尽きないですが、
水のどの様な性質によるものなのか、水処理会社と一緒に考えて、対策を打っていきましょう。