前回の記事では軟水や軟水装置について記述しました。
前回の記事はコチラ↓
*”軟水”のこぼれ話から軟水装置のコストダウン方法まで徹底解説!その1
CaやMgやNaClなど、元素記号がたくさん出てきて頭の中がややこしかった人もいらっしゃるかもしれませんが、今回は出てこないので安心してください(笑)
今回は、早速軟水や軟水装置のコストダウン方法について、記述したいと思います。
目次
軟水、軟水装置のコストダウン方法
1.軟水装置を適正なサイズにする
大型の軟水装置は再生を行う頻度は減りますが、イオン交換樹脂も多く入っていることになります。その結果、定期的な入れ替えの際に高額な費用が発生してしまいます。
そこで、軟水装置を適正なサイズ(1日に1回程度の再生サイクル)にすることで、入れ替え費用のコストダウンにつながります。
2.軟水装置を各メーカーに相見積もりする
軟水装置は日本製から海外製まで様々なメーカーが製造しています。
確立された技術なので、各メーカーに大きな性能の差はないと考えられます。
購入する際は価格面だけでなく、アフターフォローを任せられるところ(販売店を含む)がおすすめです。
3.軟水装置の食塩を安価なものに変える
軟水装置に使う塩は、家庭用の塩よりもはるかに大量に使う場合が多く、
そのコストを見過ごすことはできません。
実は、一口に”塩”と言っても、塩にも様々な種類があり、特級塩、食塩、並塩、岩塩等々、不純物(精製度)によって違いがあり、価格も異なります。
軟水の使用用途によって、塩を使い分けることをおすすめいたします。
4.イオン交換樹脂を用途によって分ける
軟水装置同様、イオン交換樹脂も日本製から海外製と様々なものがあります。
食品に使う場合は食品添加物、もしくはアメリカのFDA(Food And Drug Administration)認可品を使うことが一般的ですが、
ボイラや洗浄用水、風呂等の場合は、それ以外のイオン交換樹脂を使った方が安価に収まります。
軟水装置の塩の溶け残りには気を付けて!
私が水処理業界に携わり始めた頃に、何件もの軟水装置のトラブル対応を行った経験があります。
最も多いトラブルは「水が軟水にならない」というものでした。
実際に現場に行って調査と修理を行うのですが、その中で最も多かった原因は、再生用の塩が入っていなかった、または溶け残ってしまっていた、というものです。
ユーザーは軟水装置の再生槽に定期的に食塩を入れ、かきまぜて溶かします。
しかし、寒い季節などは入れた食塩が全て溶けきらず、槽内に残ってしまうことがあります。それがコチコチに固まって、ちょっとやそっと掻き混ぜたくらいでは溶けなくなることがよくあります。
”槽内を見るとまだ塩が残っている、塩の補給は次回にすればいいな”という状況が重なり、チェックすると軟水になっていない、こりゃ故障だ、メーカー呼ばなくちゃ、という具合です。
現在はこうしたトラブルが起きないように、軟水装置メーカーは再生槽の構造を工夫して、ある程度塩が固まらないようにしていますが、まだこうしたトラブルはあると思われます。
その場合は、固まりにくい造粒塩という塩を使うことで結晶化を防ぐことができます。
ユーザーのみなさま、塩の溶け残りにご注意を!