設備管理の現場では、機器の購入、例えば水処理装置やメンテナンスの業者を二社購買にしている所も多いです。

しかし水処理やメンテナンスは各社に見積を取っても、内容や使う部品などが異なって価格比較が出来なかったり、同じ問題に対して2社の考えが食い違っていて、判断がつかない事が多いと思います。

そこで今回は、水処理やメンテナンスの業者比較のコツをご紹介したいと思います。

消耗品は「キロ単価」ではなく「処理単価」で比較

薬品や消耗品など、決まった成分と濃度のモノであればキロ単価比較は可能ですが、水処理薬品はキロ単価は安いが薄くて多量に必要なものがあり、注意が必要です。

数社を公平に比較するなら、水1トン当たりの処理にかかる費用を比べます。

これを「処理単価」といいます。

これで比較すれば、性能が同じならどれが一番安いかわかります。

部品やメンテナンスは「ライフサイクルコスト」で比較

♦ライフサイクルコストとは

ライフサイクルコスト(LCC)とは、建物のライフサイクルに要する総費用です。

建物にかかる費用は建設費だけではなく、日常の保守、修繕費用、何年かごとの大規模な改修費用等建物を維持するための費用は、建設費の何倍にもなります。

そのため、適切な保全により、ライフサイクルコスト(LCC)を必要最小限に抑えることが非常に重要です。

国土交通省 保全ガイドブックより

薬品と同様に部品の場合は、推奨交換頻度を押さえておく必要があります。
高価な材質でも、長く持つなら安い場合もあるからです。

例えば各社に、作業費も含めて耐用年数15年間使った場合の総費用(ライフサイクルコスト:LCC15)を出して貰います。

これがあれば、保守総コストが判り、各社の比較ができます。

またこれは、メンテ内容が明確になって予算計画に役立つ上に、各社の考えも知ることができ、自分に近い考えを持つ業者を見つけることにも役立ちます。

新たに機械を導入した場合、機械メーカーは、LCCを求められる事が普通になりました。
しかし、依頼しないと提示して貰えない為、是非依頼して、それを叩き台にして業者と打合せれば良いでしょう。

またメンテナンスを長期契約し、購入額を一定にすることも可能です。

一般的には部品も含めたフルメンテナンスと呼びます。そうすることで、部品の値上がりや頻繁な交換もメンテナンス会社の負担とすることができます。

まとめ

以上、今回はコスト中心のお話でしたが、それでは「自分に近い考えを持つ業者」とは、どういう業者のことなのか?

もう少し踏み込んでお話してみたいと思います。

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