「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」
これは、SDGs(持続可能な開発目標)の中の目標6で掲げているスローガンです。

みなさんはSDGsをご存じですか?
SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された、持続可能開発を行うために掲げられた17個の目標です。
2030年までに世界が抱えている問題を解決することを目指したもので、自然環境、教育や労働、住みやすさなどをテーマに開発目標が存在します。

SDGsについては、以前にも記事にしているので、こちらも併せてご覧ください。
環境に配慮した工場で省エネを実現した事例5選|コストダウンナビ

今回は、当社の事業内容に即した「水と衛生」に関しての目標である目標6:「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」についてひも解いていくとともに、水がどれほど貴重なものなのか、再確認できる機会にしていこうと思います。

この開発目標と向き合った時見えてきたものに心動かされ、自分にもできることが必ず見つかるはずだと考えるようになりました。

SDGs 目標6: 安全な水とトイレをみんなに

いきなりこんな当たり前な投げかけをするのは、なんだかおかしな話ですが、皆さんは日々使う水を大切に使うことができていますか?

水って毎日使いますよね。水がないと私たちは生活していくことができません。
水分補給はもちろん、トイレに入浴に洗濯に料理。実にさまざまな場面で水を使います。

しかし、毎日使うものであるからこそ、当たり前に感じてしまい、だんだんありがたみが薄れてしまうのです。

なぜここまでして水の大切さを謳っているのか?それには、理由があります。

水に飢えることなく、いつでもどこでも水を自由に使えていることは、実際には当たり前ではなく、とても幸せなことなんだってことを、この記事を読んで再確認していただきたいと思うからです。しかも、「安全な水」が自由に手に入ることは、本当に恵まれているのです。

もちろんこの記事を書いた私を含む、全ての人が。

SDGs目標6の内容や取り組み

SDGs目標6とは冒頭でも話に出しましたが、「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する。」というスローガンのもと、持続可能な世界を実現するための17のゴールのうちの一つです。

具体的には、水関連の生態系の回復と保護のための活動や水利用の効率化です。
2030年までに成し遂げる目標として、安心安全な水へのアクセスをユニバーサル(普遍的)なものにしていくというものです。

この目標を達成するために、国や公的機関だけではなく皆さんもよく耳にする伊藤園、ヤフー、パナソニックなど、世間に名の知れた企業も活動をしています。

例えば「お〜いお茶」でおなじみの伊藤園では、社内での使用水量の削減を進めながら、製造時に使用する水の量と排水量を把握し、環境に与える影響の極小化に努めています。具体的なデータは、以下の表をご覧ください。

※水源別取水量

※排水量

引用元: 伊藤園 http://www.itoen.co.jp/csr/environment

環境への配慮として、年々河川・湖からの取水を減らし、地下水の利用をメインに循環システムを活用した水源の確保を増やしています。

排水に関しても、毎年明らかに排水量が減っていますね。循環システムを使用した水の再利用によって、水の無駄遣いを最小限にしているからこその実績です。

こういった各企業の積極的な取り組みや対策が、水不足問題の改善への大きな強みとなります。

やはり世界的に水不足というのは大きな課題であり、この課題を改善することは、世界中の人たちの暮らしを豊かにすることに、直接つながるといっても過言ではないのです。

SDGs 目標6が掲げられた背景

ではなぜ、国や公的機関だけでなく企業までもがここまでしてSDGsの課題に取り組んでいるのでしょうか?

目標6(安全な水とトイレをみんなに)が掲げられた背景には、間違いなく深刻な水不足問題が隠されています。

どれ程の規模の水不足かというと、全世界の人口のおよそ40%にあたる約28億人もの人々が、水不足による甚大な被害を被っているのです。

今後、何も対策を講じなければ、気候変動によって引き起こされる気温の上昇などの問題も影響して、ますます水不足問題は加速することが予想されています。

かつて、2011年には41もの国が水不足ストレスを抱えていました。要は、安全な水へのアクセスが滞ってしまったわけです。
普段、安全な水を自由に使うことのできる私たちは、水の温度でさえ文句を言うことがあるというのに、安全な水へのアクセスが危うい状態に陥った国がこんなにも多くあったという事実は、信じられないくらいですね。つくづく日本で暮らす私たちは、恵まれた環境にいることを、感じることができます。

なお、水不足に陥った国のうち10カ国では、再生可能な淡水が枯渇寸前にまで至りました。これは非常に深刻な問題と捉えるべきでしょう。

日常的に水に困る生活を強いられている人が、現代でもまだまだ数え切れないほど存在しています。

安全な水が使えることの幸せ

今回は、SDGsの目標6をテーマに取り上げて話をしましたが、あらためて水を不自由なく使えている環境に強く感謝しました。

水は大切だなんて当たり前なことですが、思うだけではなかなか大切にできていないことも。

できることなら、あなたのできる形で、水の無駄遣いをなくすための取り組みを実践してみてください。

まずはできることから。

国として、企業として、個人として、何ができるのか、行動し続けていきたいものですね。

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